2018 Fiscal Year Annual Research Report
気候変動による河川から海岸への土砂供給量変化を考慮した確率海岸線変化モデルの開発
Project/Area Number |
18H01538
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有働 恵子 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (80371780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹林 洋史 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70325249)
峠 嘉哉 東北大学, 工学研究科, 助教 (90761536)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 広域土砂収支 / 汀線変化 / 土砂生産 / PCR / RUSLE |
Outline of Annual Research Achievements |
砂浜は沿岸・岸沖漂砂および飛砂に加えて,山地から海岸への一連の土砂移動による河川からの土砂供給変化の影響を受けて変形している.河川からの土砂供給は沿岸漂砂に多大な影響を及ぼすことがわかっており,流砂系全体の土砂収支に対する知見獲得が重要であるものの,現時点で十分な知見は得られていない. 本研究は,河川から海岸への土砂供給量を定量的に再現・予測する手法を確立するとともに,これを考慮した確率的長期海岸線予測モデルを開発することを目的とする. 平成30年度は 1.日本全国の海岸・流砂系土砂諸量データベース構築とその特性解析(H30-31年度) 2.流砂系土砂諸量を推定する手法および河川からの土砂供給量を沿岸漂砂に反映させる手法の確立(H30-31年度) を行う計画であった.1について河床変化データの全国的な入手は困難であることから,1965~1999年の長期にわたり河床データが取得されている吉野川に着目し,既に入手していた吉野川流域の土砂生産量や砂防施設,ダムデータと合わせて土砂収支解析を行った.土砂生産量,ダム堆砂量,河道容積変化量,ならびに川砂利採取量を算定し,土砂収支式により河川から海岸への土砂供給ポテンシャルを推定したところ,1965~1999年の土砂生産量,ダム堆砂量,河道容積変化量,川砂利採取量の年平均値は,それぞれ 300万m3/年程度,70万m3/年程度,-120万m3/年程度,190万m3/年程度と算定され,河川から海岸への土砂供給ポテンシャルは160万m3/年程度と推定された.2については1次元河床変動モデルを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本全国の流砂系データベース構築を担当してもらうために、空間情報解析技術を有する研究協力者を採用予定だったが、別プロジェクトの作業に当初の見込みより時間がかかったため、雇用が困難となった。同様の技術を有する新たな人材の確保も難しく、研究代表者が代わりにデータベース構築準備をしたが、空間情報解析技術の知識を得てから行う必要があったため、データベース構築準備に想定以上の時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
データベース構築を早急に進めると同時に,研究代表者らにより構築された土砂生産モデル(RUSLE),河川土砂動態モデル,海岸線変化モデル(PCR)を改良し,これらを統合する.
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