2020 Fiscal Year Annual Research Report
気候変動による河川から海岸への土砂供給量変化を考慮した確率海岸線変化モデルの開発
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18H01538
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有働 恵子 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (80371780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹林 洋史 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70325249)
峠 嘉哉 東北大学, 工学研究科, 助教 (90761536)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 広域土砂収支 / 汀線変化 / 土砂生産 / PCR / RUSLE |
Outline of Annual Research Achievements |
1.日本全国の海岸・流砂系土砂諸量データベース構築とその特性解析:我が国では長期にわたり,全国各地で土砂諸量に関するダム堆砂量や砂利採取量,河床地形など様々な実測データが蓄積されている.これらのデータを集約しデータベースを構築した.
2.流砂系土砂諸量を推定する手法および河川からの土砂供給量を沿岸漂砂に反映させる手法の検証:土砂生産モデル(RUSLE),河川土砂輸送モデル,ならびに汀線変化モデル(Cross-shoreモデル)は昨年度までに構築した.今年度は吉野川および阿武隈川を対象に河川から海岸への土砂供給量について推定を行い,その再現性について確認した.吉野川においては過去30年間の解析を行い,ダム建設や砂利採取による土砂供給量低下への影響を定量的に評価した.阿武隈川においては過去20年間の解析を行い,出水時の供給量を年平均値比較した.これらの結果より,既存研究と比べても良好に河床地形を再現できたものの,より再現性を向上させるためには上流端の境界条件の与え方が今後の課題である.
3.汀線変化モデル(Cross-shoreモデル)の適用性の確認:世界にも例を見ない約20年間の毎日の地形データが蓄積されている茨城県波崎海岸を対象としてCross-shoreモデルの検証を行い,パラメータの最適化を行った.その結果,波崎海岸における最適なパラメータは既存研究で提案されている他国のパラメータ範囲とは大きく異なった.さらに,トレンドの再現性は高いものの,変動の再現性が十分でないことが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発予定であった個々のモデルについて,おおむね予定通りに開発が進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに土砂生産モデル(RUSLEモデル),河川土砂輸送モデル(混合粒径一次元河床変動モデル),ならびに汀線変化モデル(Cross-shoreモデル)を構築・改良して再現性の確認を行った.来年度は各モデルの改良を行った上でこれらのモデルを結合し,山地から河川,河川から海岸への土砂輸送プロセスの流域一貫モデルを構築する.
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Research Products
(6 results)