2018 Fiscal Year Annual Research Report
Systematization of calculation methods of three dimensional open channel flows based on the bottom velocity computation method and new developments of non-equilibrium sediment dynamics
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18H01546
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
内田 龍彦 広島大学, 工学研究科, 准教授 (00379900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 能久 広島大学, 工学研究科, 教授 (70143823)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 多重スケール問題 / 底面流速解析法 / 跳水 / 急変流 / 段波 / 流体力 / 混合粒径 / 河床波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,洪水流と河床変動に含まれる現象の多重スケール性やその現象解明,および流れの解析法に合わせたときに生じる既存の流砂解析法の課題の整理と高度化を目指し,洪水時の多重スケール構造の一体解析法の構築と,それに基づいた既存技術の体系化と非平衡流砂力学の新たな展開を目的としたものである.前者に対して,スケール間の相互作用は水深スケールで主に生じると考えられることから,大きなスケールの解析が可能な平面二次元解析法(2DC)の枠組で,水深スケールの三次元流れの解析法を底面流速解析法(BVC法)に基づいて開発する.BVC法は申請者らが独自に開発してきた解析法であり,湾曲二次流などの特定の三次元流れをモデル化しようとした従来の水深積分モデルの改良と異なり,水深スケールの三次元渦運動の支配方程式を導き,用いているために,様々の三次元流れを統一的に解析できる可能性がある.本年度は,流れ解析のベンチマーク問題を検討するために,急拡部段落ち部下流の流況の遷移過程を,必要条件と十分条件から明らかにした.また,蛇行部を流下する二つの特徴的な段波挙動を実験的に明らかにした.数値解析法の構築に関して,開水路流中の抵抗体の流体力特性を実験的に検討し,その評価法を提案するとともに,これまで困難とされていた水没植生群を有する流れの水深積分モデルに基づく解析法を提案した.後者に対して,河床波などの小規模スケールと河道全体の流れの相互作用を実験的に明らかにするとともに,混合粒径河床の移動床解析の持つ課題を示し,これを解決する新たな解析法を提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,三次元解析法に比べて計算コストが小さい平面二次元解析法の枠組みの中で,流れの三次元性と河床極近傍の流れ,河床せん断応力を解析できる,国内外に例のない非平衡粗面抵抗則を用いた非静水圧準三次元解析法に基づいた洪水流と河床変動解析法の高度化を目指している.これまでに急変段落ち流れ解析に関して,跳水形態と段波挙動について新しいベンチマーク問題を提案するとともに,開水路流中に抵抗体を有する構造物の流体力評価法と水没植生を有する流れの水深積分モデルを用いた解析法を提案している.また,河床変動に対して,流れと河床変動の多重スケール性に着目した実験結果や混合粒径河床の新たな解析法を非静水圧準三次元解析法とカップリングしやすい形で提案しており,本研究は順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
ベンチマーク問題や新たな流れ解析法の発展など,解析法の高度化に関して更なる検討を行うほか,底面流速解析法を通して,単純化された解析法の提案や,現象解明技術,および既存解析技術の体系化について検討を行う.
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