2020 Fiscal Year Annual Research Report
経済活動の時空間集積メカニズムに関する理論・実証研究:政策分析の基盤構築
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18H01556
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高山 雄貴 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (90612648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 裕通 金沢大学, 地球社会基盤学系, 助教 (10786031)
村上 大輔 統計数理研究所, データ科学研究系, 助教 (20738249)
中山 晶一朗 金沢大学, 融合科学系, 教授 (90334755)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 集積の経済 / 交通・立地統合モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
交通基盤整備などの都市交通政策の効果は,短期/長期で大きく異なる.これは,短期的に発現する渋滞・混雑緩和効果が,長期的には経済活動の時空間集積構造(都心の位置・規模,始業時刻分布)を大幅に変化させるためである.したがって,社会的要請の強い“政策の長期的効果(ストック効果)の把握”には,その影響の適切な予測・評価が必要となる.しかし,既存の政策効果の分析手法は,経済活動の時空間集積構造が変化するメカニズムを考慮していない.これは,既存手法のみでは,“交通基盤整備/交通需要マネジメント施策による渋滞緩和” などの短期的効果は捉えられても,“人流・物流効率改善に伴う経済活動の時間・空間集積の長期的な構造変化”を記述することや,“この構造変化がもたらす多大な経済的影響の評価”が不可能であることを意味している.
本研究は,この課題を解決するために,経済活動の集積メカニズムを理論・実証両面から明らかにした.そして,その知見を基盤に“政策の長期的効果の定量的評価”のための都市経済分析手法を開発した. より具体的には,モバイル空間統計から得られる500mメッシュの時間帯・居住地別の人口データの統計解析を実施し,人口分布に特徴的な時空間パターンが存在することを確認した.さらに,集積の経済を考慮した理論モデルを構築し,その均衡状態の特性が現実の経済活動の時空間分布と整合していることを明らかにした.また,様々な空間経済データを利用したモデル・パラメータ設定法と効率的な均衡状態の数値解法を整備することで,実空間を対象とした計量分析法を開発した.そして,実都市を対象とした計量分析により,開発した分析法の有用性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに分析が完了しており,順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りに研究を推進し,2021年度で完了させることができた.
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Research Products
(9 results)