2019 Fiscal Year Annual Research Report
長期交通規制による利用者行動の変動の推定および交通ネットワークに及ぶ影響の評価
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18H01562
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
嶋本 寛 宮崎大学, 工学部, 准教授 (90464304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉内 文孝 岐阜大学, 工学部, 教授 (10263104)
Schmoecker J.D. 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70467017)
宇野 伸宏 京都大学, 工学研究科, 教授 (80232883)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 交通規制 / 経路交通量推定モデル / 経路選択パラメータ / day-to-dayダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
交通規制が道路利用者に及ぼす影響を評価することを目的として,OD交通量の事前情報と主要交差点におけるリンク交通量データから経路交通量と経路選択パラメータを同時に推定するモデルを構築した.構築したモデルを大規模な仮想ネットワークに適用し,モデルの計算可能性と入力データの誤差要因と推定精度の関係性を分析した.その結果,構築したモデルは誤差および観測箇所の欠損に対して頑強であることを確認した.さらに,経路重複に関するパラメータの推定精度を向上する余地はあるものの,経路選択パラメータも概ね精度よく推定可能であることを確認した. そして,構築したモデルの入力データに用いるため,宮崎市において2016年から本格実施されたバスレーン規制前後3週間のメッシュ間流動データ(モバイル空間統計データ)を入手し,バスレーン規制前後の道路利用者の経路選択行動の変化を分析した.まずモデルから推定されるリンク交通量が観測リンク交通量と整合しているため,モデルの妥当性を確認した.その上で,経路選択パラメータの変化から,バスレーン規制直後に経路選択の際の所要時間認知に関する不確実性が増大していることを明らかにした.さらに,時間帯ごとのメッシュ間交通量を比較したところ,中心部から郊外に向かう流動に関してバスレーン規制時間帯が占める割合が減少していることを確認し,バスレーン規制の本格実施により道路利用者が出発時刻を調整している可能性があることを示唆した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の中心課題である経路交通量と経路選択パラメータの推定モデルの構築と,分析対象都市への適用が可能であることを確認できたため.また,さらに詳細な分析を行う余地はあるものの,交通規制による影響をある程度示すことができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度に行った分析をさらに詳細に行い,交通規制が道路利用者に及ぼす影響を精緻に評価する.さらに,令和元年度に推定した経路交通量を入力データとして,ネットワーク容量推定モデルを構築し,交通規制がネットワーク容量に及ぼす影響を評価する予定である.
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