2018 Fiscal Year Annual Research Report
メタゲノム解析と微生物活性可視化技術を用いた下水処理微生物機能の全容解明
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18H01564
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保田 健吾 東北大学, 工学研究科, 准教授 (80455807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 恭平 都城工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (50783213)
帆秋 利洋 大分工業高等専門学校, 都市・環境工学科, 教授 (60393708)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 下水処理微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
解析を行う活性汚泥を選定するために、日本各地の下水処理場から活性汚泥をサンプリングした。処理プロセスは、標準活性汚泥法の他、嫌気-無酸素-好気法、硝化脱窒法、オキシデーションディッチ法など国内の下水処理場で採用されている主要な方法を網羅できるようにした。採取した汚泥の微生物群集構造解析 (原核生物と真核生物) をrRNA遺伝子のアンプリコンシーケンスにより得られたデータを用いて行った。その結果、下水処理微生物はProteobacteriaやBacteroidetes、Firmicutes、Actinobacteria、Chloroflexi、Saccharimonadiaが共通して見られた。処理方法によってはNistrospiraなどが多く存在しているものもあった。 微生物活性可視化のために、元素を用いた標識技術の開発を行った。特に金粒子を特異的に沈着させるために必要なブロッキング方法やその沈着方法について検討を行った。高感度化のためにtyramide signal amplification法を用いて行ったが、TSA法を適用する場合、蛍光標識チラミドと、ハプテン標識チラミドを用いた場合、用いるブロッキング剤によって、得られるシグナルが異なる可能性が示唆させ、その原因について調べている。金増感反応については時間を延ばすと非特異的な沈着が増加してくるが、ブロッキングと高感度化プロセスを最適化することで、純菌を対象とした系において、明視野観察においても特異的に金シグナルを可視化することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい発見や未解明な現象が見られるなどしているが、それらに対応しながら研究全体としては概ね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き下水処理微生物の機能の全容解明に向けて、遺伝子レベルでの解析と細胞レベルでの解析を併用しながら研究を行っていく予定である。
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