2019 Fiscal Year Annual Research Report
メタゲノム解析と微生物活性可視化技術を用いた下水処理微生物機能の全容解明
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18H01564
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保田 健吾 東北大学, 工学研究科, 准教授 (80455807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 恭平 都城工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (50783213)
帆秋 利洋 大分工業高等専門学校, 都市・環境工学科, 教授 (60393708)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 下水処理微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
Superphylum Patesibacteriaに属するSaccharimonadia (TM7) を解析するための前処理方法について検討を行ったところ、物理的な分画処理を施すことでSaccharimonadiaを集積することに成功した。またその他のPatesibacteriaに属する微生物群についても元の汚泥における存在割合よりも多くなり、メタゲノム解析によってこれらの微生物群の情報が得られる可能性が示された。 そこで集積したサンプルを用いてショットガンシーケンスを行い、メタゲノム解析を行った。その結果、52個のbinが得られ, 完全性が50%以上かつコンタミネーションが10%以下の基準で選定した高品質なbin 22個のうち, 21個がPatesibacteriaに属した。Saccharimonadia以外にも, Parcubacteriaなどの複数のゲノム情報を取得することができた。 可視化技術については、重水をトレーサーとして用いる方法で感度的な問題が生じたことから、微生物を特定の元素標識し、可視化する技術の開発に取り組んだ。元素として金と臭素に着目した。金についてはCARD-FISHによる抗原沈着後、抗原抗体反応による金標識および金増感を行った。臭素については臭素元素を含む化合物とチラミンを反応させ、それをCARD-FISHに用いた。SEM-EDXによる解析では金シグナルはえら得たものの、臭素のシグナルは得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メタゲノム解析のための前処理方法を開発し、また実際にMAGが得られるなどの成果が出ている。可視化技術についても課題に直面しながらも、様々なアプローチを適用するなどしており、研究全体として概ね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き下水処理微生物の機能の全容解明に向けて、遺伝子レベルでの解析と細胞レベルでの解析を併用しながら研究を行っていく予定である。
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