2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of seismic evaluation of URM infill as structural elements for developing countries
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18H01578
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前田 匡樹 東北大学, 工学研究科, 教授 (30262413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 智哉 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60400529)
アルワシャリ ハモードアハメドハモード 東北大学, 工学研究科, 助教 (90839177)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | RC造建築物 / 無補強組積造壁 / 耐震診断・耐震改修 / 開発途上国 / 繊維補強モルタル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地震に対して脆弱でありながら、発展途上国において広く用いられる鉄筋コンクリート造建築物の後積み無補強組積造壁(Un-Reinforced Masonry, URM)を対象に、(1) 破壊メカニズムとその影響因子の明確化、(2) 耐震診断法の開発、(3) 現地の材料や施工レベルに適合する耐震補強工法を開発し、開発途上国向けの診断・改修設計マニュアルを作成することである。 研究項目① URM壁の破壊メカニズムと影響因子の解明:鉄筋コンクリート造建物の架構内に後積みで施工されるURM壁について、RC架構の中のレンガ壁の特性を変化させた部材実験を行い、その破壊モードや発生メカニズムと支配因子を検討した。また、バングラデシュの研究機関の協力を得て、現地のコンクリート、レンガなどの材料の特性を調べた。 研究項目② 耐震診断法へのURM壁の効果の導入:バングラデシュにおいて、建物の構造計算書・設計図面などの資料を入手して、建物の構造的特性やURM壁の配置や使用材料・施工方法を調査した。コンクリートやレンガ、目地モルタルなどの材料強度を正確に把握するために、簡易な非破壊試験(NDT)による材料強度推定法について、現地調査建物に適用し可能性を検討した。 研究項目③ URM壁の耐震補強構法の開発:開発途上国の建築物の耐震補強工法として、バURM壁の表面に繊維補強モルタル(フェローセメント)を設置して拘束する構法がバングラデシュで用いられつつあることから、これを第一候補とした。要素実験及び架構実験を行い、ひび割れ拡大を防止し、強度及び変形性能を向上させるのに効果があることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
要素実験、架構実験など全体的に研究は順調に進んでいる。ただし、2016年7月にダッカで発生したテロ事件の影響で、渡航制限がかかり、バングラデシュでの調査や現地研究機関との共同作業にやや支障が生じている。さらに、コロナウィルスの感染拡大の影響で、現地への渡航制限がかかり、3月に計画していた研究打合せやワークショップ、合同実験が延期され、予定して研究から進行がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究項目① URM壁の破壊メカニズムと影響因子の解明については、2019年度までにおおむね成果を得た。2020年度以降は、従来の研究計画に従い、研究項目② 耐震診断法へのURM壁の効果の導入、研究項目③ URM壁の耐震補強構法の開発を推進していく。並行してバングラデシュを対象に実施されているJICA/JSTのSATREPSプロジェクトで現地のアサヌラ工科大学に導入された静的実験載荷装置を使用した実験が、2020年度に実施されるので、それらの実験結果も共有して検討を進めていく。
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Research Products
(19 results)