2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H01595
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鉾井 修一 京都大学, 工学研究科, 名誉教授 (80111938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊庭 千恵美 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10462342)
小椋 大輔 京都大学, 工学研究科, 教授 (60283868)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 浴室環境 / 血圧 / 超音波画像 / 人体温熱モデル / 心臓血管モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
近年高齢者を中心に浴室内での事故が多く発生しているが、その原因として①周辺環境の急激な変化による血圧変動により引き起こされる心血管系疾病、②入浴時の行為に伴う血流変化による立ち眩みが挙げられており、従って安全な入浴には浴室周りの温熱環境の適切な設計と共に入浴時の行動に伴う温熱生理応答を理解することが不可欠である。本研究は安全で健康的な入浴を可能とする入浴環境設計を行うための基礎として、与えられた温熱環境および身体活動における体温や血圧などの人体生理応答を適切な精度で予測する生理量予測モデルを構築することを目的とする。 今年度は、(a)被験者実験により椅座安静時における生理応答(各部皮膚温度、深部温度、血流、血圧など)を測定し、得られた測定結果を人体生理応答の理解の基礎とするとともに、作成する解析モデルの妥当性検討に用いた。(b)基礎的な生理応答情報として、心臓や静脈などの血管系の時間的な変化を超音波画像診断装置を用いて測定し、これにより心拍出量の時間的変化を調べ、これを元に解析モデルに用いるコンプライアンスの推定を試みた。(c) 例えば冷たい浴槽に手が触れる状況、下半身のみが湯に浸かっている場合、背中がまだ冷えた浴槽に接する場合などを考慮できるように、人体周辺環境の非一様性を考慮したうえで人体の皮膚表面温度や筋温度、深部温度を予測する人体熱モデルの作成、(d)心臓および血管などの循環系のメカニズムを表現し、血圧を予測することができる心臓血管制御モデルの作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
被験者実験による生理応答(各部皮膚温度、深部温度、血流、血圧など)の測定、得られた測定結果による人体生理応答の基礎的な理解、人体周辺環境の非一様性を考慮したうえで人体の皮膚表面温度や筋温度、深部温度を予測する人体熱モデルの作成とその妥当性の検討、心臓および血管などの循環系のメカニズムを表現し、血圧を予測することができる心臓血管制御モデルの作成は順調に進められた。ただ、超音波画像診断装置を用いた心臓や静脈などの血管系の(血流、血圧の)時間的な変化の測定に関しては、装置の選定と入荷に想定していた以上の時間を要し、満足が行く測定には至らなかった。従って、全体としては「おおむね順調に進展」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、基本的には申請時の予定通りに研究を進める予定である。ただ、浴槽入浴という形式は日本独特であり、世界的にはシャワー入浴が一般的である。本研究で提案する人体温熱生理モデル、心臓血管モデルは人体の部位における違いを考慮できるモデルであり、従ってシャワー入浴にも適用できると考えられるため、研究対象にシャワー入浴を含め、より普遍性を有し世界的に適用できる研究としたい。
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Research Products
(6 results)