2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Behavior Prediction of Cylindrical Line Structure with Rotation in Flow
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18H01634
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 昌奎 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70272515)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 回転円柱 / 流体力 / 流れ構造 / 付加質量 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、剛体円柱を用いた水槽実験により、回転による円柱に働く流体力及び流れ場の変化の計測、並びにフレキシブルパイプを用いた水槽実験により、回転による円筒型線状構造物の振動特性及び付加質量の変化を調査した。 東京大学生産技術研究所千葉実験所の海洋工学水槽と風路付造波回流水槽において実施した剛体円柱を用いた水槽実験では、円柱の3次元効果(端部影響)による流れ場の変化と揚力の減少が確認された。回転する円柱の周りには回転流れが生成され、接線方向の流速は円柱表面から距離の対数値に比例し、その外側には余剰流れが生成される。端部を持つ3次元円柱は、円柱端部での運動量の消散により、端部付近の回転流れが縮小されたことにより流体力が減少し、余剰流れ成分がなくなる。流体力の減少は揚力が顕著であった。また、円柱の回転強度が一定以上になると円柱周りの回転流れ構造の発達が止まり、円柱の回転影響を受ける流体領域が広がらないことが確認できた。流体中のレイノルズ応力から求めた渦動粘性係数は円柱表面でほぼゼロ、回転流れの中心部で最大となり、余剰流れ領域では無視できるほどの値であった。回転円柱の流体力の増加がある回転比(流速と円柱周速との比)で頭打ちになることは、円柱周りの回転流れの構造が一定以上発達しないことに関係していると推測される。円柱の回転影響を直接受ける流体領域は、円柱中心から円柱半径の4.5倍程度の領域である。 円柱の回転と付加質量との関係を調査するため、東京大学生産技術研究所千葉実験所の海洋工学水槽において、フレキシブルパイプを用いた、流れ中で回転する円柱の運動特性を計測では、回転強度の増加に伴い、フレキシブルパイプの固有振動数が低下し、回転により円柱の付加質量が増加することが確認できた。また、フレキシブルパイプの振動モードは流れに起因するVIVの振動数付近のモードが卓越することが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和1年度には、剛体円柱とフレキシブルパイプを用いた水槽実験により、流れ中において回転する円柱に働く流体力及び円柱周りの流れ場の特性、並びに回転による円筒型線状構造物の振動特性及び付加質量の変化を調査した。実験の計測結果から、流れ中で回転する剛体円柱に働く流体力と、円柱周りの流れ構造、3次元影響(端部)影響との関係を推測することができ、回転により円柱の付加質量が増加することが確認できた。また、流体力及び付加質量の大きさが円柱の回転強度に関係し、回転強度が一定以上になると円柱周りの流れ構造が変化しない飽和状態になることが確認できたのは、新たな発見である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、今まで得られた知見の再確認とモデル化を行い、流れ中において回転する円柱周りの物理現象をまとめるとともに流れ中で回転する円筒型線状構造物の挙動数値シミュレーション手法を開発する。
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Research Products
(1 results)