2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Efficient And Precise Navigation of An AUV Based on Acoustic Measurement of Dstance from Signle Reference Point
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18H01650
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
渡邊 佳孝 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 研究プラットフォーム運用開発部門, 副主任研究員 (40359138)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 水中音響測位 / AUV / ナビゲーション / 海中無人探査機 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、海中無人探査機、特に自律型であるAUV(autonomous underwater vehicle)の航行位置計測に関し、従来の測位手法に対して高精度と運用効率の両立を目標とするものである。 本年度は、昨年度に引き続き、シミュレーション等による手法検討を進め、実海域での実証データを得るための実海域実験の実験構成を立案し、それを基に実験装置の設計・製作を行った。 実験装置は、主に測位の基準局を模擬する送信装置と、AUVを模擬する受信装置から成る。双方の装置にチップサイズ原子時計(Microsemi社製 CSAC SA.45)を搭載してGPSに同期することで装置間の同期をとり、音響信号の基準局→AUVの一方向の送受信(OWTT: one way travel time)による測距を可能とする。送信装置は、海底へ係留設置して固定局として動作させるパターンと、海面に浮遊させて海上を航行するASV(autonomous surface vehicle1)やブイを基準局とする場合を想定して動作させるパターンを実施できる構成とした。海面に浮遊させる際には、GPSを搭載し、測位信号の送信時の位置を計測し記録できる構成とした。受信装置には、典型的なAUVのナビゲーション装置であるINS(inertial navigation System)、DVL(Doppler velocity log)および深度計を搭載し、計測船から吊下し曳航することでAUVを模擬することとした。測距は、双方の実験装置に搭載するAD/DAコンバータによる音響信号の受信データ記録から後処理により実現することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
測位手法のシミュレーションによる検討の結果、当初の想定以上に処理内容が複雑化したため、実海域実験および評価方法の検討を追加で行い、実験装置の外注範囲を縮小して処理部の自作および後処理による評価を行うことに変更した。 これに伴い、実海域実験の実施時期の延期が必要となり、実験設備の空き状況を確認した結果、翌年度の実施に変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
実験装置の一部未完成部を完成させ、実証データを取得するための実海域実験を実施する。 実海域実験は、駿河湾奥の内浦湾内およびその付近での実施を想定しており、水深100~300m程度において実施する。 実験構成は2パターンを計画する。一方は、基準局を模擬した送信装置を海底に係留設置して固定とし、AUVを模擬した受信装置を計測船から吊下し曳航して実施する。他方は、基準局をASVやブイを模擬して海面を浮遊させ、受信装置は前記と同様にして実施する。 実験においては、送信装置に搭載するGPS、受信装置に搭載するINS、DVL、深度計等のセンサデータを取得し、OWTTにより測距を行うための音響信号は、CSACの1PPS信号とともに送信信号および受信信号の信号データをADコンバータにて記録する。測距は、取得した信号データを後処理することで実施する。取得したセンサデータと信号データから計測した測位距結果を統合することにより、測位手法の評価を行う。この評価を後処理で実現することにより、様々な信号処理および測位処理アルゴリズムの評価を行うことに活用する。
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