2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Sensor-based Automatic Collection and Feedback System of Elderly People's Activity-Health Information: Impact Evaluation from Social and Human Factors Perspectives
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18H01654
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 謙治 東京工業大学, 工学院, 教授 (80159871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
顧 秀珠 東京工業大学, 工学院, 助教 (20632615)
橋本 重厚 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40221494)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢者生活支援 / 生体・活動センサー / 活動情報フィードバック / 高齢化社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
①高齢者の生体・健康情報の自動収集・フィードバック・システムの利用効果の実証的評価: 歩行ステップ数、睡眠時間、心拍数などの日常活動・生体情報を自動収集し、結果をスマートホンにフィードバックするシステムを、高齢者が自分自身の生活環境で長期間継続的に使用したときに、健康状態の推移とともに、健康や日常的運動に対する意識・モチベーション・満足度・不安といった心理・精神状態に、どのような効果があるのかを数名の高齢者を利用して調査した。調査を実施した高齢者概ね良好な高価が見られた。特に、歩行などの日常活動への意欲、健康・生体情報の継続的計測など、心理面・精神面への好影響が見られた。 ②若年者の生活・健康情報の自動収集・フィードバック・システムの利用効果の実証的評価: 文献サーベイから高齢時の運動・日常活動の習慣をつけるには、若い時期からこのような活動の習慣が重要であることが示唆されていることがわかった。これに従って40名以上の若年被験者を対象に3ヶ月間の日常生活中での生体・健康情報の自動収集、その分析結果のフィードバックを行い、高齢者対象のトライアルと同様に、健康状態の推移とともに、健康や日常的運動に対する意識・モチベーション・満足度・不安といった心理・精神状態を調査するトライアルを実施した。若年者についても生体センサーをつけた健康状態等の継続的測定とフィードバックにより概ね良好な心理的効果は見られたが、否定的影響を受ける被験者も存在し、個人差がかなりあることがわかった。 ③高齢者の生活・健康情報フィードバックの医療者・介護者への影響分析: 数人の医師、介護者に対して、このシステムの利用による彼らの職務への影響に関するインタビュー調査を実施した。これにより彼らの職務に対するメリットが大きいことがわかったが、生体センサーへの充電の問題など、実践上の問題点もいくつか示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高齢者の生体・健康情報の自動収集・フィードバック・システムの利用効果の実証的評価については、高齢被験者を募集することがかなり困難であり、当初予定していた人数に対するトライアルができなかった。これについては、2019年度も継続して高齢被験者の募集を行い、様々なコネクションを利用して、目標人数の高齢者を用いトライアルを実施したい。高齢時の健康に若年時の意識、習慣が大きく関連することを示唆する既往の研究を見つけ、これを検証すための大規模な実験を、高齢者対象で行うトライアルとほぼ同様の方法・手続きで実施することができた。これは、当初の予定にはない大きな成果である。また、これらの研究を通じて、近年問題になっている高齢運転手の事故、特に健康問題に起因した事故に着目し、一般ドライバーより問題の影響力が大きい高齢のトラック運転手を用いた大規模な研究計画の立案ができあがった。これについては、2019年度の夏前には実施できる予定である。 当初予定の人数より少ない部分もあったが、大人数の若年者を対象とした高齢時の健康問題の心理的効果の解明など、関連する新たな研究、さらに一般高齢者だけではなく、高齢の職業運転手の問題に対する研究計画も立案し、すぐに実施可能なレベルまでブラッシュアップできたので、全体としては少なくても、概ね順調に進行していると判断している(計画以上と判断したいところであるが、高齢者トライアルの人数が少ないなど、元々の計画から見ると不十分な部分もあるので)。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では特に以下の3つの内容を中心に研究を実施していく。 ①上述した高齢者に対するフィードバック効果の解明について、大きな高齢者サンプルを用いて実行し、人口学的属性、生活形態・環境など、個人特性が異なる高齢者の効果を明らかにする。 ②高齢者から自動収集した活動・生体情報を日ごとに集計し、その分析結果を高齢者家族にフィードバックしたときの家族への効果・問題点を明らかにする。このために、システム利用に関する典型的なシナリオを作成し、これら状況を想定したときの効果・認識・心理状態に関する調査票を作成し、一人暮らしの高齢の親を持つ家族に対してアンケート調査を実施する。 ③高齢トラック・ドライバーの運転・配送業務と健康状況の関係と、生体・活動情報フィードバックによる意識改革等に対する影響分析を、高齢のトラック・ドライバーの作業形態の違い(長距離輸送やコンビニ配送のような域内配送など)による生体への肉体的影響、心理的影響などを、日常業務における生体・活動センサーからのデータ分析とともに、ドライバーや配送会社の管理者へのインタビュー調査を実施する。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] 褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン20182018
Author(s)
成瀬 光栄, 方波見 卓行, 田辺 晶代, 織内 昇, 木村 伯子, 絹谷 清剛, 柴田 洋孝, 高橋 克敏, 滝澤 奈恵, 竹越 一博, 立木 美香, 難波 多挙, 橋本 重厚, 他
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Journal Title
日本内分泌学会雑誌
Volume: 94
Pages: i-87
Peer Reviewed
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[Journal Article] 大学病院の医療事故調査制度への対応 都道府県医師会との連携2018
Author(s)
中村 伸理子, 有賀 徹, 寳金 清博, 橋本 重厚, 堤 晴彦, 中島 勧, 深山 正久, 吉田 謙一, 大嶽 浩司, 小林 弘幸, 坂本 哲也, 大磯 義一郎, 中島 和江, 太田 吉夫, 山下 裕一, 坂梨 又郎, 水谷 渉, 嘉山 孝正
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Journal Title
日本医師会雑誌
Volume: 147(6)
Pages: 1254-1258
Peer Reviewed
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