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2020 Fiscal Year Annual Research Report

Establishment of human mobility science based on GPS big data

Research Project

Project/Area Number 18H01656
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

高安 美佐子  東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (20296776)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
KeywordsGPSデータ / ヒューマンモビリティー / 輸送現象 / モデル構築 / 数値シミュレーション / 統計物理モデル / COVID-19 / 行動パターン
Outline of Annual Research Achievements

2020年初頭よりCovid-19の感染が広がり、陰に陽に様々な形で行動に関する規制が介入し、人流は大きく変化した。本年度は、当初の研究計画を変更し、この異常事態における人流の解析を新たに加えることとした。スマートフォンのGPSデータに基づいて都市圏スケールの人流の流域を時間帯ごとに計算する手法は確立したので、この方法を用いて500mメッシュ単位での流域パターンの変化を観測した。その結果、人流の密度はCovid-19によって大きく変わったが、流域の形状に関しては大きな変化はなく、午前中は都市中心に向かう流れが顕著にみられ、夕方は逆方向の流域パターンが観測された。
また、この研究とは別に、元々予定していた都市圏の人流を記述する電気回路モデルの開発を進めた。まず、動いている人間を単位量の荷電を持った粒子とみなすことで、GPSデータから電流を定義する。次に、隣接する正方形メッシュ間に仮想的な電気抵抗を想定し、抵抗値と電流の積で決まる電位差のローテーション成分の絶対値が一日を通して最小になるように電気抵抗値を決める。そして、求めた電気抵抗値を基にそれぞれの時刻における電流値の空間分布を説明できるように各メッシュでの電位ポテンシャルの値を調整して決める。この手順によって、都市圏スケールの人流を説明できる電位ポテンシャルを求めることができる。この一連の処理をするためには、数十万個の変数をデータに基づいて最適化する必要があり、そのプログラムの作成を進めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2020年初頭よりCovid-19の感染拡大という想定外の事態が発生し、本研究のテーマである人流は大きく変わった。ちょうど人流の観測が可能となるGPSデータを入手していることから、当初予定していた流域の構造やスケーリング関係の解明や特異的な人流パターンの自動検出などに関する研究に関しては後回しにし、感染症の拡大に伴う人流の変化の観測を新たな研究課題とした。新たな課題に関しては着実に成果が上がっており、研究は順調に進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

都市圏の人流を記述する電気回路モデルのプログラム作成を進め、時々刻々の電位ポテンシャルの変化を観測できるようにする。また、通常の物質の電気回路において成立している揺動散逸関係がこのマクロな人流の電気回路モデルにおいても成り立っているかどうかを検証する。すなわち、それぞれのメッシュにおいて、電流のゆらぎの大きさを計測し、その値がそのメッシュでの電気抵抗の逆数に比例しているかどうかを調べる。これによって、人流の電気回路モデルで、電流のゆらぎの大きさを決めることが可能となるのでゆらぎを考慮したシミュレーションが可能となる。また、学術的には、ミクロな物質での特性と思われてきた揺動散逸関係がマクロな人流においても成立するならば、統計物理学の適用範囲が大きく広がることとなる。
また、Covid-19の感染拡大が続くようであれば、GPSデータに基づいた感染症の数理モデルの開発を新たな研究課題とする予定である。GPSデータを解析することで人流の密度が高くなる時刻と地域を特定することができるので、感染率の増減とGPSデータの相関関係を精査することで、既存の感染症の基本モデルであるSIRモデルを拡張し、GPSデータからの人流を考慮した新たな数理モデルを提案できると考えている。

  • Research Products

    (4 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Universal scaling laws of collective human flow patterns in urban regions2020

    • Author(s)
      Shida Yohei、Takayasu Hideki、Havlin Shlomo、Takayasu Misako
    • Journal Title

      Scientific Reports

      Volume: 10 Pages: 21405(10pages)

    • DOI

      10.1038/s41598-020-77163-2

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Presentation] GPSデータを用いたコロナ禍における人流パターン解析2021

    • Author(s)
      志田洋平, 高安秀樹, 高安美佐子
    • Organizer
      日本物理学会 第76回年次大会 (オンライン開催)
  • [Presentation] 人流類似度の提案による日にちの自動分類2020

    • Author(s)
      志田洋平, 高安秀樹, 高安美佐子
    • Organizer
      日本物理学会 2020年秋季大会 (オンライン開催)
  • [Presentation] Scaling Laws of Synchronized Human Movements in Metropolitan Areas using GPS Data2020

    • Author(s)
      Yohei Shida, Hideki Takayasu, Shlomo Havlin and Misako Takayasu
    • Organizer
      URBAN COMPLEX SYSTEMS 2020
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2022-12-28  

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