2019 Fiscal Year Annual Research Report
混雑と遅延に頑健な輸送・交通ネットワーク設計に関する研究
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18H01662
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
佐々木 美裕 南山大学, 理工学部, 教授 (20319297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜飼 孝盛 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 講師 (20453540)
渡部 大輔 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (30435771)
小市 俊悟 南山大学, 理工学部, 准教授 (50513602)
古田 壮宏 奈良教育大学, 教育連携講座, 准教授 (60453825)
鳥海 重喜 中央大学, 理工学部, 准教授 (60455441)
佐藤 公俊 神奈川大学, 工学部, 准教授 (60609527)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ネットワーク設計 / 時空間ネットワーク / 輸送・交通 / 価格決定モデル / 航空ネットワーク / 遅延 / 混雑緩和 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)【遅延の現状分析】フライトの遅延の発生原因を分類し, 特に影響の大きいと考えられる「出発空港での離陸待ち」, 「折り返し便の到着遅れ」, 「到着空港での着陸待ち」に着目し, 実データを利用して航空機の過密による空港での遅延を分析した. (2)【長期計画】一部の空港の混雑・遅延がネットワーク全体へ与える影響が大きいことに着目し, 各空港の規模に対する利用者数を平均化することを考慮した航空ネットワーク設計モデルを提案し, 混雑度と乗客フローの関係を分析した. また, 2つの航空会社が協力関係にある場合と競合関係にある場合を想定し, それぞれの最適ネットワークにおける乗客フローの変化について分析した. (3)【中期計画】時間軸の導入による頑健なネットワーク設計に関連して, 現実の東南アジアにおける輸送環境データから物流ネットワークの輸送品質の頑健性を評価した. (3)【短期計画】航空券の基準価格の調整によるフローのコントロール方法を提案するための基礎的研究として, IoTによって利用データが得られる製品・サービスを対象に将来の使用量の不確実性を考慮した従量課金方式の価格決定モデルを構築し,従量課金による貸し出し方式が販売よりも企業収益に有効である条件を明らかにした.さらに,顧客,生産者および回収業者からなる循環型サプライチェーンの費用最小化モデルをマルコフ決定過程により定式化し,供給量および需要量の不確実性の下で最適な生産・在庫政策の特性を示した. (4)【陸上輸送との提携】現在,世界的に実証実験が進められているトラック隊列を対象として,隊列形成・解除のための施設配置の最適化について, 時間軸を導入しない基礎モデルの開発を行った. (5)【データ整備】実データを用いて大規模な計算実験を行う際に問題となる欠損データを補完するための手法を提案し, プローブデータを用いてその有効性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中期計画に関する研究課題の1つである「複数事業者の提携による頑健なネットワーク設計」に関する研究についてやや遅れが出ているが, 全体としてはおおむね順調に進展している. 中期計画については, 長期計画および短期計画との関連が強いことも影響している. 2018年度, 2019年度に得られた長期計画および短期計画の研究成果をもとに, 中期計画との関連を明らかにし, 中期計画に関する研究課題に取り組む準備が整いつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は, 課題ごとの研究を推進することが中心となり, メンバー全員が参加する研究進捗報告会の開催も1回のみとなった. 2020年度は, オンライン進捗報告会を頻繁に開催してメンバー全員で進捗および研究成果に関する情報を共有してディスカッションを行い, 各課題間の関連を明確にするとともに, 混雑と遅延に対する頑健性の高い包括的なネットワーク設計手法の確立を目指す. また, 本研究課題と関連性の高い研究を実施している他の研究グループとの交流を通じて情報交換・情報共有を進める.
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Research Products
(32 results)