2018 Fiscal Year Annual Research Report
Trans-boundary Disaster Governance in Europe-Case of 2010 Icelandic Volcano Eruption
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18H01686
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
阪本 真由美 兵庫県立大学, 減災復興政策研究科, 准教授 (60587426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中道 治久 京都大学, 防災研究所, 准教授 (00420373)
荒島 千鶴 神戸学院大学, 法学部, 准教授 (70362811)
高橋 若菜 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (90360776)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 越境噴火災害 / アイスランド / 火山 / エイヤフィヤクトラヨークトル / 広域災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
アイスランドにおける越境噴火災害対応を中心に研究・調査を実施した。5月には構成メンバー全員による会議を開催し研究実施方針を確認した。6月には京都大学による「大規模噴火時の航空輸送の危機管理体制に関する研究」と情報交換を行った。7月には日本における大規模噴火による災害対応を検討するため、京都大学桜島火山観測所で研究会・フィールド調査を実施した。8月には2010年のアイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山の噴火対応について、アイスランド気象庁、環境省、EUROVOLCなどに対しヒアリング調査、フィールド調査を行うとともに、アイスランド大学、レイキャビック大学と合同セミナーを開催し、アイスランドの関係機関と災害対応についてより詳細な情報共有を行った。 2018年度の研究からは、大規模噴火に伴う越境被害を分析するための視点として、①噴火に伴う直接被害を軽減するための災害対応、②火山灰・火山性ガスの広域拡散に伴う環境被害・健康被害のモニタリング、③火山灰拡散に伴う航空機事故・物流被害を防ぐための情報共有体制、の重要性が示された。 アイスランドでは、火山観測は気象庁が、災害対応は内務省国家警察委員会 (NICP)市民保護緊急管理局(DCPEM)が統括している。2010年のエイヤフィヤクトラーヨクトル火山の噴火後に避難情報の発出体制の見直し、ハザードマップの整備など防災対策が進められている。一方、国際社会と連携するために、国内の火山観測情報を随時国際社会に発信する仕組みとしてCatalogue of Icelandic Volcanoesの構築、欧州全体を管轄するロンドン航空路火山灰情報センター(VAAC)との情報共有と定期的な訓練や図上演習、噴火に伴う火山灰・火山性ガス拡散状況のモニタリングと欧州環境機関(EEA)への報告が行われていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、欧州における広域噴火対応の仕組みに着目して研究を進める。具体的には、①各国で起こった噴火被害に関する情報がどのように共有されているのか、②欧州災害対応調整センター(European Emergency Coordination Center)との調整がどのようになされているのか、③国際法上に災害対応がどのように位置付けられているのか、を明らかにする。火山灰の広域拡散については、Lodon VAACを中心としたモニタリング体制、一方、災害対応については欧州災害対応調整センターにおける対応を中心に検討する。
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Research Products
(5 results)