2019 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of local structure inducing proton conduction by in situ X-ray absorption spectroscopy
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18H01694
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山崎 仁丈 九州大学, 稲盛フロンティア研究センター, 教授 (30292246)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | プロトン伝導性酸化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
固体酸化物形燃料電池の400°C付近での中温動作を可能にする電解質材料として、プロトン伝導性酸化物が期待されている。本研究では高いプロトン伝導度が報告されているアクセプター置換ジルコン酸バリウムに着目し、水和反応条件下において高温その場X線吸収分光法を用いた電子・局所構造解析を行い、高濃度プロトン導入が可能な材料に特徴的な局所構造因子を解明することを目的としている。金属酸化物におけるプロトン(H+)導入反応、すなわち酸素空孔をヒドロキシ基(OH)で補填する水和反応はプロトン伝導を発現させる重要な反応であり、酸化物中におけるプロトン高濃度化のためには、この反応の機構を解明することが材料設計指針の構築に必要不可欠である。プロトン伝導性を有する酸化物BaZr0.8Sc0.2O3-δにおいて昨年度得られたその場X線吸収分光結果、熱重量分析結果及び第一原理計算結果の解析を進めた結果、水和反応サイトは主にスカンジウムに囲まれた酸素空孔であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、昨年度得られたプロトン伝導性を有する酸化物BaZr0.8Sc0.2O3-δにおけるその場X線吸収分光結果、熱重量分析結果及び第一原理計算結果の解析を集中的に行った。その場X線吸収分光測定では、ホストZr及びドーパントScのK吸収端近傍構造(XANES)から、Bサイトカチオンの周りの配位環境がわかる。その場X線吸収分光実験および熱重量測定の結果を第一原理計算結果と比較検討することにより、水和反応サイトは主にスカンジウムに囲まれた酸素空孔であることが明らかになった。このように、当初予定した実験および解析が順調に進んでいることから、上記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、アクセプター置換元素としてYを選択し、その場X線吸収分光測定、熱重量分析及び第一原理計算を行う。またイオン半径の異なるSc, In, Lu, Er, Y, Gdドーパントを3×3×3のスーパ-セルに一つ配置した系において計算した水和エネルギーと比較する。これらから、ドーパントの種類が水和反応に及ぼす影響を考察する。また、その場X線吸収分光実験結果、熱重量分析結果及び第一原理計算結果を総合的に検討することにより、ペロブスカイト酸化物におけるプロトン伝導発現の起源に迫りたい。
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