2019 Fiscal Year Annual Research Report
室温でのレーザー励起結晶成長による特異な高濃度不純物ドーピングと新機能酸化物創製
Project/Area Number |
18H01702
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉本 護 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (20174998)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | Ga2O3 / エキシマレーザー照射 / 固相エピタキシャル成長 / PLD / 非晶質薄膜 / ワイドギャップ半導体 / 高濃度不純物ドーピンブ / 紫外発光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、紫外パルスレーザー照射による室温下での単結晶薄膜における固相成長、または単結晶基板の原子レベル平坦化や緩衝層などを利用したパルスレーザー堆積法(PLD)による非平衡的な単結晶薄膜の室温合成プロセスを駆使し、高温では不可能な超高濃度不純物を含有させた熱力学的に準安定な酸化物系薄膜を合成することで、電子あるいは正孔の異常ドーピングを誘発し、Ga2O3やNiOなどのワイドギャップ半導性酸化物において、新規なp-n制御や電磁気機能を有した材料を創製することをめざしている。 当該年度では、①:PLD室温成膜ルートによる物質合成:酸化物系超平坦原子ステップ基板や独自創製の原子ステップ型ポリマー基板を使い、基板表面への緩衝層導入によるPLD装置を用いた成膜条件の最適化の検討を行った。高濃度(最大~80mol%)の異種原子価不純物原子を含有した酸化物焼結体ターゲットを使い、室温付近でのPLD合成を試みた。研究対象酸化物系としては、NiO、ZnO、Ga2O3、及び高濃度ドープする不純物元素としては、異種原子価のFe,Ti,Ga, Ni,Mg,などである。 また、昨年度に引き続き、②:室温下パルスレーザーアニール固相結晶化ルートによる物質合成:ワイドギャップ酸化物、特にGa2O3非晶質膜に膜表面およびサファイア基板裏側からレーザー照射を室温下で行い、固相エピタキシャル結晶化のプロセスを検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度末頃に見出した予想以上の研究成果が出現し、それに関連した研究を集中的に当該年度も続行した。ただ、2020年初め頃からの新型コロナウイルス感染症の拡大による研究自粛期間が2020年2月頃から半年以上にわたり、2021年秋頃からようやく本格的な研究再開になった。その後は、普通以上に研究遂行をおこなった。その結果、種々の興味ある研究成果を挙げることができている。このため、当初予定よりも、研究進捗はやや遅れているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度に得られた成果をベースにして、サファイア基板上での紫外エキシマレーザー照射による種々のワイドギャップ酸化物薄膜の室温固相エピタキシャル成長のための成膜パラメータの最適化と不純物ドーピングによる高結晶性酸物半導体薄膜の構築と光および電気特性制御を引き続き、系統的に調べる。
|
Research Products
(3 results)