2019 Fiscal Year Annual Research Report
コロイド分散系におけるコロイドアモルファスの構造解析と大面積センサー材料の作製
Project/Area Number |
18H01721
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
金井 俊光 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (10442948)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | コロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
荷電コロイド分散系において、コロイドアモルファスを形成する条件を明らかにした。特に粒径120nm、粒子濃度6.5%の単分散ポリスチレン粒子からなる水分散液を、高さ150μmの平板状キャリラリーセルに充填することにより、角度依存性がなく、均一で、最も鮮やかな構造色を呈することを明らかにした。 また荷電コロイド分散系におけるアモルファス構造を樹脂で固定したコロイドアモルファスフィルムの作製を試みた。ゲルによる固定化については成功しているが、樹脂固定化を行うとアモルファス構造が乱れ、スペクトル特性の劣化がみられた。紫外線照射条件や開始剤濃度などの樹脂化条件を検討したが、スペクトル特性の劣化がみられ、成功には至らなかった。しかしながら、条件を絞ることができ、NIPAMとNMAMモノマーの混合比を変えて検討する、来年度への指針は明らかになった。 荷電コロイド分散系におけるアモルファス構造と反射および透過スペクトル特性との関係を明らかにした。特に反射スペクトルから作成する通常の相図と、透過スペクトルにおいてみられるコロイドアモルファス構造における交点から相図を作成し、比較した。これにより、交点の有無によりコロイドアモルファス構造の形成を判断できるようになった。また透過スペクトルからRGB表示系への変換を行うことにより、コロイドアモルファスの実際の透過色をよく再現することができた。このような荷電コロイド分散系におけるアモルファス構造と反射および透過スペクトル特性との関係については、論文発表するに値する充分なデータが揃っており、論文化を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、紫外線照射条件や開始剤濃度などの樹脂化条件を検討した。まだ角度依存性がなく均一に色彩変化する樹脂固定コロイドアモルファスの実現には至っていないが、条件を絞ることができ、来年度への指針が明らかになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
角度依存性がなく均一に色彩変化する樹脂固定コロイドアモルファスの実現を目指す。具体的な方法としては、ゲル化剤としてNIPAMとNMAMモノマーを用い、NIPAMとNMAMの濃度を変えた一連のゲル化剤を用いて検討する。最も鮮やかな色彩が現れた高さ150μmの平板状キャピラリーセルを用いて、ゲルフィルムを作製する。アクリレート系樹脂を用いて溶媒置換を行い、紫外線照射によりコロイドアモルファスをアクリレート樹脂で固定する。またこれまでに得られた荷電コロイド分散系におけるアモルファス構造と反射および透過スペクトル特性や色彩との関係をまとめ、論文を投稿する。
|