2018 Fiscal Year Annual Research Report
光音響学的手法による異材接合部の非破壊評価技術の開発
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18H01722
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐々木 朋裕 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (40432067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 秀一 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (40211932)
プラムディタ ジョナス 新潟大学, 自然科学系, 助教 (50615458)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 光学計測 / 残留応力 / 異種材接合 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は,材料変形挙動を可視化するためのレーザー干渉計の改良を主に行った.先ず,研究代表者らがこれまでに開発してきた電子スペックルパターン干渉計(ESPI)に2波長のレーザー光源を導入した.それぞれ,532nm,および473nmの波長のレーザーを光源として,2つの干渉計を測定表面に対して垂直,および水平方向に配置した計測装置を作製した.2波長のレーザー光源によるスペックルパターンを波長フィルタを介して同時に測定することにより,二次元変位分布の計測を可能にした.また,干渉計により得られる干渉縞模様の動的解析プログラムを作成した. 次に,ESPIを用いた残留応力測定の基礎実験として,熱変形の可視化実験を行った.具体的には,鋼,アルミニウムなどの金属材料を対象に,引張,あるいは圧縮による外部応力による拘束条件下で,室温から±10℃の熱サイクルを与えた際の膨張・収縮変形をESPIで可視化することにより,外部応力が熱変形挙動に与える影響を調べた.その結果,材料に与えた初期の外部応力の大きさに応じて,見かけ上の熱膨張係数が変化することを明らかにした.また,鋼と超硬合金をろう付した異材接合体を作製し,接合部周辺の熱変形挙動を同様の手法で測定した.熱変形挙動と上述の基礎実験結果との比較から推定される残留応力は,定性的ではあるものの,X線回折法による残留応力の測定結果に類似した分布を示した.以上の実験により材料に与える熱変形は非常に小さく,可逆的であることから熱変形挙動から残留応力を推定できる可能性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の中心となるレーザー干渉計の製作,および測定技術の開発は当初の計画通り進んでおり,既にこの干渉計を用いた研究結果も発表している.また,異材接合体の作製や,本装置の熱膨張の可視化による測定への応用にもすでに着手している.また,異材接合体の変形挙動を推定するためのFEMモデルの作製にも一部着手したところである.したがって,本研究課題はおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の結果をもとに,熱変形挙動と残留応力との関係を定量的に評価するための実験に加えて,音響振動による変形挙動の可視化も進める予定である.光学計測装置,および変形解析技術はすでに確立されている.また,熱変形挙動の可視化においては,材料表面を非接触で加熱するためのレーザー光源を新たに導入する.同時に,異材接合体のFMEモデルを構築する.FEMモデルの一部は作成済みであり,本年度は,光学計測の測定結果をフィーバックしながら接合部の変形機構を考察する予定である.
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Research Products
(4 results)