2020 Fiscal Year Annual Research Report
Materials science of multi-morphism in oxides and singular structural properties
Project/Area Number |
18H01733
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
原田 俊太 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (30612460)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 結晶学的せん断構造 / 酸化チタン / 面欠陥 / 熱伝導 / マルチモルフィズム |
Outline of Annual Research Achievements |
複数の価数をとる遷移金属酸化物の中には、酸素量の変化を構造的に緩和し、組成によって連続的に結晶構造が変化する、マルチモルフを呈する物質群が存在する。本研究では結晶学的せん断構造と呼ばれる、面欠陥の周期配列を含む酸化物に着目し、酸素量の変化によって、ナノスケールの面欠陥の周期配列を制御する手法を確立することを目指している。また、バルク結晶中に含まれるナノスケールの周期構造による特異な構造物性に関する知見を得ることを目的としている。 二酸化チタンを真空中で焼鈍することにより、酸素欠損を生じさせた結晶の周期構造の評価を行った結果、ルチル構造の(132)に周期的な面欠陥が含まれておりその周期は2.9 nm、界面粗さは5 pm以下と、ナノスケール周期構造をピコスケールの精度で形成できることが分かっている。[001]方向の熱伝導率の測定を行った結果、室温において、熱伝導率は周期に対して極小値を持つことが明らかとなった。人工超格子薄膜などでは界面に対して単調に減少するのが一般的であり、このような特性はほとんど報告されていないが、これは、酸化チタン結晶の周期構造の完全性が高いことに起因すると考えられる。熱伝導において粒子的な描像を記述するDebye-Callaway モデルに、周期構造の導入に伴う群速度の変化を取りいれて、熱伝導率の周期依存性の計算を行った結果、周期に対して熱伝導率が最小値を有することが示唆され、[001]方向におけるマルチモルフィズムに起因する特異な熱伝導率の変化を説明すること可能であることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)