2020 Fiscal Year Annual Research Report
ナノポーラス金の近接抗菌作用を利用した細胞に無害な選択抗菌性マイクロ構造の開発
Project/Area Number |
18H01734
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
馬渕 守 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (00358061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 裕美 豊橋技術科学大学, 教育研究基盤センター, 教授 (00319500)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ナノポーラス / 抗菌 / 細胞培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノポーラス金 (NPG) 基板上に平滑金 (FG) のマイクロ島状構造を作製し、前駆脂肪細胞との共培養に用いる培養基板としたところ、HeLa細胞、また大腸菌を選択的に不活性化できる性能を持つことがわかった。すなわち、HeLa細胞と前駆脂肪細胞の共培養において、前駆脂肪細胞の活性を保ったまま、HeLa細胞を不活性化することができた。また、同基板上で大腸菌と前駆脂肪細胞を共培養すると、前駆脂肪細胞は活性を保っていた一方で、大腸菌の菌数は減少した。これらの結果は、NPGのマイクロ溝状構造がHeLa細胞および大腸菌を物理的にトラップできるのに対し、典型的なサイズが35 μmでありHeLa細胞や大腸菌より大きい前駆脂肪細胞は主に不活性なFGマイクロ島状構造と接触し、NPGマイクロ溝状構造には接しないためであると考えられた。なお、FGマイクロ島状構造を有しないNPG単独の基材の場合は、HeLa細胞や大腸菌だけでなく前駆脂肪細胞も不活性化した。このことも、FGマイクロ島状構造の有用性を裏付ける。 マイクロ島状構造は市販の金属マイクロメッシュをテンプレートとして簡便に作製できる。FGマイクロ島状構造を付与したNPG培養基板による細菌・細胞の選択的不活性化は、従来の材料あるいは技術には見られなかった際立った特徴である。NPGの短距離範囲での抗菌性あるいは細胞不活性化性能を効果的に利用し、細菌・細胞の新しいサイズ分離技術を提供できる可能性が示された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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