2020 Fiscal Year Annual Research Report
Interfacial control of Co-based superalloy for new forging process
Project/Area Number |
18H01742
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
及川 勝成 東北大学, 工学研究科, 教授 (70356608)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上島 伸文 東北大学, 工学研究科, 助教 (10733131)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 超合金 / 析出強化 / 鍛造 / 再結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
Co-Al-W系超合金のγ母相中γ’整合’析出物の成長挙動の理論解析と高温における動的再結晶挙動に関する実験的な検討を行った.Co-9Al-8W合金を高周波溶解で作製し,溶体化後,50%の冷間圧延を行い,更に1150℃で熱処理を施し,静的再結晶を生じさせ,100ミクロン程度の粒径の板を作製した.板から円柱状試料を切り出し,970~980℃で様々な時効を施し,γ’を整合析出させた後,THERMECMASTERで970~980℃の間で熱間鍛造を行い,流動応力曲線を取得するとともに,ミクロ組織の観察をおこなった. 970℃における時効時間を変化させて整合析出したγ’相の平均サイズとその分布を測定した結果,熱処理時間が長くなるほど平均粒径は大きくなり,そのサイズ分布もKWN-modelで解析した結果,Co-9Al-10Wの時とほぼ同じパラメータを用いて再現できることを確認した.970℃,980℃で24時間熱処理した試料について0.001/sで70%の熱間鍛造をした結果,応力-ひずみ曲線に動的再結晶特有の応力の低下が見られた.また,ミクロ組織観察を行った結果,10ミクロン以下の非常に小さい母相粒径の部分が見られ,動的再結晶が生じていることを確認した.動的再結晶化率は70%程度となった.動的再結晶後のγ’相を観察すると析出分率が減るとともに,その平均粒子径が増加していた.更に,γ’相の方位を観察した結果,析出物が非整合化していることが明らかとなった.今後,初期組織が動的再結晶に及ぼす影響を調査し,最適な組織生業条件を明らかにする.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はCo基超合金中でのγ’相の析出状態制御することで,その熱間加工性の制御を行うことを目標としている.本年度の成果により,母相粒径を小さくすることで,動的再結晶がほぼ全面で生じることが明らかとなり,γ’相も非整合化することが明らかとなった.
|
Strategy for Future Research Activity |
Co基超合金のγ’相のサイズ,および加工速度が流動応力および再結晶挙動に及ぼす影響を明らかにする.そのため,様々な時間で970℃,980℃で熱処理した試料に対して,温度と歪み速度を変えた圧縮試験を行う.得られた圧縮試験片の組織をSEM-EBSDやTEMで評価することで,再結晶化メカニズムなどを評価する.また,数式モデルを用いて,再結晶率などを定量的に評価し,γ’相の非整合化に必要なパラメータを明確にする.
|