2019 Fiscal Year Annual Research Report
Photoreduced methane production from carbon dioxide and water by the fromation of pn junction structure
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18H01746
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 一則 長岡技術科学大学, 工学研究科, 特任教授 (20143828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 正和 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (00134974)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 二酸化炭素還元 / 光触媒材料 / メタン / ランタノイド酸化物 / 固相間反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
中性金属状態で4f(1)5d(1)6s(2)の軌道電子配置をもつランタノイド金属であるCeは、蛍石型結晶構造をもつCeO2では+4価のイオンとして4f(0)5d(0)電子配置をもつ。このCeO2に3dブロック金属酸化物で4d(0)電子配置をもつY2O3を添加成分として、高温加熱による固相間反応法で5 mol%Y2O3-CeO2試料粒子(5YDC)を作製した。 作製試料5YDCの結晶相および粒子形態のキャラクタリゼーションをX線回折法および電子顕微鏡観察により行った。また、5YDC試料に対して光電析法を用いてPtおよびAuをそれぞれ単体および複合担持した際の担持形態、水中溶存二酸化炭素に対する光反応に対する光触媒活性との関係、およびその反応メカニズムについて検討を行なった。5YDC試料は、CeO2結晶格子母相に対して第2相の固溶相が存在する二相共存状態であることをX線回折測定結果から明らかにした。 5YDC試料に対して光電析法を用いてPtおよびAuを担持し、二酸化炭素に対する光還元反応でのメタン生成反応活性を検討した。X線回折測定、高分解能走査型電子顕微鏡観察、透過型電子顕微鏡観察、および局所エネルギー分散型X線検出元素分析により、5YDC試料粒子表面に担持したPt粒子およびAu粒子の形態を明らかにした。5YDC試料による二酸化炭素の光還元反応活性は、Au担持試料では水素生成が、Pt担持試料ではメタン生成がそれぞれ優位であることを前年度に検討した作製試料の場合と同様な効果を見出した。AuとPtを適切に複合担持した試料では、単独担持試料に比べてメタン生成活性が高まると同時に反応失活の抑制効果が顕著に高くなった。Pt, Au複合担持試料のメタン生成反応活性はPt単体担持試料のそれと比べて十分に高く、さらに経時変化による失活が回避できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水中に溶存する二酸化炭素に対して、これまでの光触媒材料作製法と異なる概念で作製した2相共存の不均質組織をもつ酸化セリウム系複合酸化物粒子に還元反応促進が期待できる助触媒貴金属微粒子を光電析法で分散担持処理を行った試料粒子を用いた光還元反応によるメタン生成を、前年度に引き続いて試みた。単相組織の試料粒子では不可能であった水と二酸化炭素からのメタン生成が、助触媒金属の適切な選択と担持方法によって可能となることを、fブロック金属酸化物のLa2O3以外にも4dブロック金属酸化物のY2O3でも可能なことを明らかにできた。助触媒金属として金、白金、及び銅に着目し検討した結果、本実施年度内では金と白金の同時担持による反応中間体の一酸化炭素による白金粒子表面での被毒抑制効果を前年度と同様に確認できた。さらに、金及び白金の微粒子の高分散混合担持が水中溶存二酸化炭素の光還元メタン活性を高めることを、高分解能走査電子顕微鏡と局所元素分析の観察・分析結果から明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
酸化セリウム系複合酸化物の光触媒粒子における2相共存不均質組織の形成および助触媒貴金属微粒子の最適な分散担持処理が、本研究進捗の上で鍵となることを明らかにしてきた。酸化セリウム母相格子に対して固相間反応でおそらく格子整合性を保って生成した固溶体酸化物相との2相共存状態が、光励起で生じた電子と正孔の電荷分離効率を高めていると考えられる。さらには、光励起された電子と正孔がどのように試料粒子表面に移動して、酸化還元反応が進行するかのメカニズムを明らかにすることが重要である。このために、高い光還元メタン生成反応活性を示す試料に対して、高分解能走査・透過電子顕微鏡観察と局所元素分析、電気化学フラットバンドポテンシャル測定、分光測定、及び価電子帯バンド構造解析等を試みる。
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Research Products
(3 results)