2020 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on microbiologically influenced corrosion mechanisms by spatial - temporal imaging of an internal environment of biofilm
Project/Area Number |
18H01755
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
川上 洋司 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90305615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 昌也 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (20244634)
中西 猛 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (20422074)
辻 幸一 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (30241566)
有吉 欽吾 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (80381979)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 微生物腐食 / メタ遺伝子解析 / 蛍光X線分析 / 電気化学分析 / バイオフィルム |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに研究対象としている微生物腐食では好気性環境下よりも微好気性環境において炭素鋼の腐食速度が速いこと,そして,炭素鋼表面に形成されたバイオフィルムの菌叢解析の結果,微好気性環境ではバイオフィルム中のRhodocyclaceae科の嫌気性菌が占める割合が増大することが示された.Rhodocyclaceae科には金属腐食能を有する嫌気性菌が含まれている.したがって,対象としている微生物腐食はRhodocyclaceae科の金属腐食能を有する嫌気性菌による微生物腐食であると推察される. このような系に抗菌スペクトルの広い次亜塩素酸系の殺菌剤を添加すると,腐食は微好気性環境下で遅くなり,好気性環境下では速くなった.すなわち,この微生物腐食事例の特徴である微好気性環境下での速い腐食が認められなくなった.また,有菌区,無菌区ともに,好気性環境にある試験片の自然電位は微好気性環境よりも貴であった.腐食速度と浸漬後の試験片表面に有菌区と無菌区で差が認められなかった.このような結果からなり微生物腐食が抑制されたと推察される.一方,好気性環境下での腐食速度が速くなったのは次亜塩素案の強い酸化作用に起因すると考えられる.これらの結果は,抗菌スペクトルの広い次亜塩素酸系殺菌剤を添加することによりバイオフィルム内のRhodocyclaceae科の金属腐食性菌が殺菌され,その結果として微生物腐食が抑制されたことを示唆する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題ではその目的として微生物腐食の空間的・速度論的解析を挙げているが,いまだ着手できていない.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は1)Rhodocyclaceae 科の細菌をバイオフィルムから単離して解析を試みる.さらに,単離されたRhodocyclaceae 科の細菌を特異的に染色する蛍光色素を作製し,バイオフィルム中でのRhodocyclaceae 科の細菌の空間分布について検討する.また,2)殺菌剤添加の有無によるバイオフィルム菌叢の差異,特にRhodocyclaceae 科の細菌の占める割合,と腐食速度の関係を調べる. これら1)と2)の結果を基にバイオフィルム環境の空間時間的定量イメージングによる微生物腐食機構の解明を目指す.
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Research Products
(2 results)