2019 Fiscal Year Annual Research Report
異次元形状触媒の複合・高次構造化による高活性電極反応場の構築
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18H01772
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中川 紳好 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (70217678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石飛 宏和 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (00708406)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 電極触媒 / 燃料電池 / 酸化グラフェン / ナノ材料 / 複合体構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
市販のGOスラリー(1wt%, 粒子径約6μm)およびそれを高出力超音波粉砕機で粉砕処理し粒子径約0.5μmにしたスラリーを用い、PtRuを化学還元法で担持して PtRu/rGOを調整した。その際、PtRuを均一分散担持することを目的として、GOをスラリー中でポリドーパミン処理を施した。GOの粒子径およびポリドーパミン処理が、触媒のメタノール酸化反応活性に及ぼす影響を評価した。SEM, TEM の観察結果から、ポリドーパミン処理した場合はGO表面にPtRuが均一分散担持されることがわかった。処理しない場合はPtRu微粒子の凝集が観察された。途中に乾燥操作を入れ分散溶液での調整プロセスを比較すると、ポリドーパミン処理を施すことによってPtRuの利用率が30%前後から40~60%以上に改善できることがわかった。特に粉砕した微粒子GOを使用したものについては60%以上と改善が大きいことがわかった。窒素吸着法による細孔径分布を測定したところ、GOの積層間隔を反映していると考えられる2.5 nmギャップ細孔容積がポリドーパミン処理によって拡大し、また微粒子GOを用いた場合にさらに増大していることがわかった。これらの結果は、ポリドーパミンによってGO表面が修飾されたことで積層するGOシートの間に働く引力が緩和され、面倒方向への電解質のアクセスが促進されたこと、また微粒子GOでは積層するGOシートの径が小さくなったことで厚さ方向への電解液のアクセスが促進されたことで説明できるものである。GOのサイズの調整とGO凝集構造をさらに小さくすることで、さらなる改善が期待できる。一方、XPSによる表面の化学状態の観察結果かは、ポリドーパミン処理はPtRuの金属微粒子とGOとの接触を妨げ、相互作用を抑制し、PtRuの質量活性を低下させる効果もあることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調整した触媒の微細構造のキャラクタリゼーションと電気化学的活性評価により、GOの粒子径調整、GOの表面処理により触媒の質量活性を大きく増大できる方策が見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらなるPtRuの利用率の拡大を目指し、GOの凝集体構造に乱れを導入し、電解質液のアクセスを促進させることを狙いスペーサーを導入した複合化を検討する予定である。複合化においては著者らの高活性PtRu/TECNF触媒との複合化も図る。また、凍結乾燥操作によるGO表面改質を行い、その操作が積層抑制、層間隔の拡大、触媒利用率および質量活性への影響も検討したい。
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Research Products
(5 results)