2019 Fiscal Year Annual Research Report
Preparation, structure and catalysis of metal nanosheets intercalated graphite layers
Project/Area Number |
18H01782
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
白井 誠之 岩手大学, 理工学部, 教授 (70250850)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七尾 英孝 岩手大学, 理工学部, 准教授 (50312509)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 金属ナノシート |
Outline of Annual Research Achievements |
粉末黒鉛と塩化イリジウムとの混合物を高圧高圧の塩素下で処理することで塩化イリジウムを黒鉛層間に挿入した(IrClx-GIC,イリジウム挿入量1-5 wt%).IrClx-GICを水素還元処理することでディスク状のイリジウム微粒子(厚み 2-3 nm,直径 10 nm)が黒鉛層間に形成できることを電子顕微鏡観察により明らかにした.黒鉛層間にあるイリジウムナノディスク(Ir-GIC)の触媒作用を,黒鉛表面に担持したイリジウム微粒子(Ir/Gmix)と比較した.超臨界二酸化炭素溶媒を用いるシンナムアルデヒドの水素化反応において,Ir-GICはIr/Gmixよりも高い活性と高いシンナミルアルコール選択性を示した.Ir/Gmixを触媒として用いると,シンナムアルデヒド分子の炭素炭素間二重結合が,黒鉛上に担持されたイリジウム金属表面に優先的に吸着し水素化反応が進行するが,Ir-GICを触媒として用いると,黒鉛層の立体障害により,シンナムアルデヒド分子のカルボニル基が優先的にイリジウム粒子に吸着することでシンナミルアルコール選択性が向上するものと考えた. また新たに塩化パラジウム(II)を出発物質とすることで金属パラジウムを黒鉛層内に有する化合物の調製を試みた.塩化パラジウムと粉末黒鉛の混合物を高温高圧の塩素下で処理しさらに水素還元を行った.塩素処理の圧力と温度,水素処理の温度と圧力について検討し,723 K, 0.30 MPaの塩素で1週間処理し,573K, 40kPaの水素で処理することで,平均粒子径が2 nmのパラジウム金属微粒子が黒鉛層間に形成できることを明らかにした
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで,黒鉛層間に,2-3 nmの厚みを有し~300 nmの幅を有する白金微粒子(白金ナノシート),2-3 nmの厚みを有し直径10 nmのイリジウム微粒子(イリジウムナノディスク)の調製に成功した.また,上記の黒鉛層間金属ナノ微粒子は,黒鉛上に担持された球形のナノ粒子とは異なる触媒作用(シンナムアルデヒドの水素化反応)を明らかにした.
|
Strategy for Future Research Activity |
今回合成に成功した金属パラジウムを層間に有する黒鉛層間化合物についての触媒作用について検討する.これまで単一の金属(白金,イリジウム,パラジウム)を層間に有する黒鉛層間化合物の合成について成功してきたが,2種の金属種を挿入した黒鉛層間バイメタル粒子の調製と触媒作用について検討する.
|
Research Products
(13 results)