2020 Fiscal Year Annual Research Report
Preparation, structure and catalysis of metal nanosheets intercalated graphite layers
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18H01782
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
白井 誠之 岩手大学, 理工学部, 教授 (70250850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七尾 英孝 岩手大学, 理工学部, 准教授 (50312509)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 金属ナノシート |
Outline of Annual Research Achievements |
粉末黒鉛と塩化パラジウムとの混合物を高温高圧の塩素下で処理することで塩化パラジウムを黒鉛層間に挿入した(PdClx-GIC, パラジウム挿入量1-5wt%)。PdClx-GICを水素雰囲気下で熱処理することで黒鉛層間にパラジウム粒子が形成できる(Pd-GIC)ことを電子顕微鏡により明らかにした。得られるパラジウム粒子の形状はパラジウム導入量によって変化し、1wt%では球状(平均粒子径3.1 nm)、3-5wt%では六角形の板状(幅20-200 nm、2-3 nm)であることを見出した。含浸法で調製した黒鉛担持パラジウム(Pd/Gmix)では黒鉛上に球状(平均粒子径5.8 nm)のパラジウム粒子が観測された。塩化パラジウム挿入後水素未還元の試料について電子顕微鏡観察を行うと、電子線により還元されたパラジウムが二次元方向に不均一に存在していた。黒鉛層間には塩化パラジウムは均一には存在しないことが示された。 1wt%Pd/GICおよび1wt%Pd/Gmix をn-ヘプタン溶媒中でシンナムアルデヒド水素化反応(反応温度40℃)を評価したところ、どちらの触媒も3-フェニルプロピオンアルデヒドに80%の選択性を示した。初期活性は1wt%Pd/GICが1wt%Pd/Gmixの2倍と高い値を示した。反応時間3時間では1wt%Pd-GICではほぼ100%の転化率を示したが、1wt%Pd/Gmixでは転化率が70%までしか上がらなかった。また、1wt%Pd-GICでは水素化反応前後でパラジウムの粒子径は変化しなかったが、1wt%Pd/Gmixでは反応後にパラジウム粒子サイズが7.5 nmに増加することが分かった。1wt%Pd-GICではパラジウムが黒鉛に挟まれ保護されていることから凝集がおこらず高い活性を維持すると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、白金、イリジウム、パラジウムの金属を黒鉛層間への形成に成功した。また黒鉛層間にある金属微粒子が黒鉛表面に担持されている金属微粒子よりも高い触媒活性や選択性を示すことを明らかにしている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは黒鉛粉末の種類を固定し種々の金属塩化物の挿入と水素還元により黒鉛層間金属微粒子を形成してきた。今後は黒鉛種を変えた場合の金属塩化物の挿入および金属微粒子形成への影響、金属微粒子の触媒活性への影響についても明らかにする。
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