2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of specific catalysis of boron nitride
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18H01785
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高垣 敦 九州大学, 工学研究院, 准教授 (30456157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 真明 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授(テニュアトラック) (00582206)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 窒化ホウ素 / ボールミル / 固体塩基触媒 / 酸化的脱水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では従来不活性として考えられていた六方晶窒化ホウ素の新たな触媒作用について明らかにすることを目的としている。 本年度は、六方晶窒化ホウ素へのボールミル処理が与える固体物性および固体塩基触媒への効果について検討した。ボールミル回転数を上げていくと表面積の顕著な増大だけではなく水酸基、アミノ基の生成が見られた。官能基の出現はFTIRにより、またB-OHによるホウ素の酸化についてはXPSにより明らかにした。さらに、ボールミル処理した窒化ホウ素のホウ素はtrigonal B-Oとtetragonal B-Oからなることが固体11B NMR測定よりわかった。塩基サイトの数はボールミル回転数により増大し、アミノ基の生成と一致した。ボールミルした窒化ホウ素はニトロアルドール反応において活性を示した。特に400rpmにて処理した試料が最も高い反応速度およびターンオーバー速度を示した。これ以上の速い回転数で処理した試料では塩基サイトの数は多いものの、活性は低下した。他にも低温でのグルコース-フルクトース異性化反応にも活性を示した。室温あるいは40℃においてもすぐさまグルコースが転化することがわかった。 窒化ホウ素は酸塩基作用の他にも低級アルカンの酸化的脱水素反応を効率よく進行させる新しい貴金属フリー触媒として注目されている。ボールミル処理した窒化ホウ素をエタンの酸化的脱水素反応に用いた。酸化雰囲気での比較的高温反応のため、表面積は著しく減少したが、95%前後の選択率でエチレンが生成した。一方、未処理の六方晶窒化ホウ素ではエチレン選択率は42%であった。酸化的脱水素反応における窒化ホウ素の活性サイトは表面BOx種と提案されており、この活性種が生成したものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現段階で、窒化ホウ素のボールミル処理による物性変化や触媒作用について詳細に検討できている。
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Strategy for Future Research Activity |
窒化ホウ素のボールミル処理により活性化はトップダウン処理である。一方、窒化ホウ素は、様々な前駆体より熱分解法によって合成できる。これにより組成や形態の異なる窒化ホウ素を合成できるため、このボトムアップ処理によって触媒を作製し、活性の向上をはかる。また、軟X線や固体11B NMR、高分解能透過型電子顕微鏡などの測定により、活性サイトの局所構造を明らかにする。
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Research Products
(5 results)