2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of highly efficient catalytic systems based on cooperative action by metals and oxoanions
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18H01786
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鎌田 慶吾 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (40451801)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 触媒 / 金属ホスフェート / 酸塩基 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では、孤立したオキソアニオンのもつ塩基性に由来した求核剤やCO2などの特異的分子活性化能に着目し、「オキソアニオンを構成ユニットとする金属オキソアニオン複合触媒の合成」と「オキソアニオンに隣接する金属との共同触媒作用を利用した新しい触媒反応系の開発」を目的としている。本年度は、水熱法およびカルボン酸類を金属分散剤として用いた手法による様々な金属ホスフェート触媒合成への適用性を検討し、XRD、元素分析および吸着測定を用いて合成した金属ホスフェート触媒のキャラクタリゼーションを行った。まず、水熱法により種々のランタノイド金属を含む金属ホスフェートLnPO4を合成し、金属種や合成条件によって結晶構造の変化を確認した。サンプル調製は180℃の水熱合成を180℃96時間行い、焼成処理を900℃3時間行った。LnPO4(Ln = La-Tb)では単射晶構造を取るのに対し、LnPO4(Ln = Dy-Lu)では正方晶構造をとることが明らかとなった。N2吸着等温線を用いてBET比表面積を算出したところ、単斜晶であるLnPO4(Ln = La-Tb)は元素が周期表の右へ向かうにつれ比表面積が減少するのに対し、正方晶であるLnPO4(Ln = Dy-Lu)は周期表の右へ向かうにつれ比表面積が増加する傾向が見られた。比表面積は金属の種類に依存するものの6-64 m2/gであり、SEM像からはナノロッド構造を取ることが明らかとなった。これらLnPO4を触媒として用いてアセトフェノンのシアノシリル化反応、5-ヒドロキシメチルフルフラールとメタノールを用いたアセタール化反応、ベンズアルデヒドとシアノ酢酸エチルのクネヴェナーゲル縮合反応を行い、それぞれの触媒の酸塩基特性の評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水熱法による種々のランタノイド金属を含む金属ホスフェートの合成とキャラクタリゼーションを行い、新たにナノロッド構造をもつ金属ホスフェートの合成とこれら触媒による酸塩基触媒反応の開発に成功しており、おおむね順調に進展してると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、種々のランタノイド金属を含む金属ホスフェートの酸塩基触媒特性と構造との相関を含む触媒反応機構の解明を行うと共に、他の金属種(例えば3d金属)やオキソアニオンを含む触媒の合成法を検討し、更なる高性能触媒の開発を目指す。
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Research Products
(7 results)