2021 Fiscal Year Annual Research Report
Observation and control of valley-spin-polarized current at quantum confinement structures in graphene
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18H01812
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
青木 伸之 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (60312930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
音 賢一 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (30263198)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 量子ポイントコンタクト / 2層グラフェン / WSe2 / 量子化伝導度 / ゼロ磁場スピン分裂 / 2次元物質 / 量子伝導現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度当初は,これまで取り組んできた2層グラフェンに対する,上下のスプリットゲートとバックゲートからの静電効果よって形成された量子ポイントコンタクト(QPC)の研究結果をまとめ,論文として出版することに取り組んだ。American Institute of PhysicsのApplied Physics Letters誌に投稿し,査読者とのやり取りののち,5月末に掲載が決定した。この論文は,Editor’s Pickにも選ばれる結果となった。一方で,昨年度末から始めてきた遷移金属ダイカルコゲナイド(TMCD)の一種であるWSe2におけるQPCの動作特性を評価するため,3層WSe2を用いたQPC素子の作製を行った。WSe2のバンド構造を考慮してp型での動作を目指し,Nbドープ多層p+-MoS2をコンタクト材料に用いることでホール注入障壁を下げ,更には六方晶窒化ホウ素(h-BN)によるカプセル化をすることで量子化伝導度の観測に必要な高移動度化を図るなど,様々な工夫を取り入れて試料の作製に取り組んだ。その結果,極低温でe2/hを単位とした伝導度の量子化現象を観測し,またバイアス特性ではゼロ磁場スピン分裂を示唆するプラトーおよびゼロバイアス異常を観測するに至り,世界で初めてp型で動作するTMDC-QPCの特性評価に成功した。これらの結果をまとめ,American Chemical SocietyのNano Letters誌に投稿し,9月初旬に掲載が決定した。本研究は,2次元物質におけるQPCにおける量子伝導現象の研究を切り拓き,当該分野における顕著な研究成果と共に高い評価を得たと考える。また,本年度はガス置換型のグローブボックスを導入し,嫌気性の低温で2次元超伝導を示すNbS2結晶をコンタクト材料としたWSe2-QPCの作製にも取り組んだ。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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