2020 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブによる熱電変換の学理深化と性能向上
Project/Area Number |
18H01816
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山本 貴博 東京理科大学, 理学部第一部物理学科, 教授 (30408695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 和宏 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30415757)
藤ヶ谷 剛彦 九州大学, 工学研究院, 教授 (30444863)
野々口 斐之 京都工芸繊維大学, 材料化学系, 講師 (50610656)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / 熱電変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、カーボンナノチューブ(CNT)の熱電変換性能を向上を目指した。 まず、CNT薄膜への化学ドーピングにおける電解質の効果を、電気化学水晶子マイクロバランス法により評価した。p型ドーピングにおいてはアニオン種の構造に依存して、電場印可時の電流値と質量変化がともに大きく増減した。電流値の増減は電荷の蓄積を、質量変化はp型ドープされたカーボンナノチューブへのアニオン分子の吸着を示唆している。以上の得られた知見をもとに高効率な錯体ドーパントを設計、検証した。 また、CNTの安定なn型化技術の開拓に成功し、この技術を用いたCNTのp型n型パターニングにも成功した。独自の半導体性CNT抽出技術を用いて得た半導体性ゼーベック係数の向上を目指したドープ濃度依存性の検証を実施したところ、100μV/Kを超える大きなゼーベック係数を得ることができた。また、CNTの一次元性を考慮に入れ、CNT配向性の異方性制御により熱・電気伝導の異方性を制御したCNT膜の作製にも成功している。 さらに、単層CNT(SWCNT)の熱電物性について実験の立場からその物理的背景を明らかにしてきた。特に、半導体型SWCNTの次元性に関して、熱電伝導率の項のふるまいに着目することによりその一次元性を議論可能であることを明らかにした。また、化学ポテンシャルとゼーベック係数の温度依存性について、特に半導体ギャップ内に化学ポテンシャルがある場合の異常な振る舞いを見出し、その理解を進めた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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