2019 Fiscal Year Annual Research Report
A study of entropy effect of mechanical properties in matal nanocontacts
Project/Area Number |
18H01825
|
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大島 義文 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80272699)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宮 工 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (60610152)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 金属ナノ接点 / ヤング率 / その場TEM観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
原子スケール材料の機械的特性を調べるためのその場TEM計測法を開発した。長辺振動水晶振動子(LER)の力センサーを取り付けたその場TEMホルダーは、原子スケール材料の構造を観察すると同時に高い精度でその等価ばね定数を測定できる。実際、開発したTEMホルダーを用いて、白金(Pt)原子鎖が量子化コンダクタンス2.0 G_0 (G_0は、コンダクタンスの量子単位)をとり、そのばね定数が13.2 N/mであると測定できた。 開発したその場TEMホルダーは、駆動機構に剛性を高めるためのグラファイトスライドやガイドを取り付けるなどの工夫を行うことで、Pt原子鎖を数秒間維持できるほど高い機械的安定性を実現することに成功した。また、力センサーとしてばね定数が高いLERを用いることで、約30pmという極めて小さな振幅で、高い精度で等価ばね定数を求めることができた。これは、材料の弾性的な性質を測定できることを意味する。また、この測定に必要なLERの感度とばね定数は、透過型電子顕微鏡を用いた解析法を考案することによって、それぞれ5.6×10^-14 C/nm、および、1.86×10^6N/mを正確に求めることが出来た。従来、LER個体差によるこれら数値の違いがあったため、測定で得られた結果の妥当性に議論の余地があった、しかし、考案した解析法によってこの問題が解決できた。以上、LERの高剛性により測定系のQ値が高くなり、それに伴ったばね定数の低い測定誤差を考慮すると、1 N/m程度のばね定数が測定でき、原子結合の結合強度の測定が可能であることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
原子配置を観察すると同時に原子鎖の機械的特性を測定する力センサーとして長辺振動水晶振動子(LER)を備えたその場TEMホルダーの開発が終わり、このTEMホルダーで原子スケールの金属ナノ接点の弾性的な性質を計測できることを示すことが出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
この開発したTEMホルダーを用いて、原子スケールの金属ナノ接点で予想されている特有な弾性を明らかにする。
|
Research Products
(29 results)