2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanical diagnosis and assay of cancer cells based on cell ergodicity
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18H01850
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡嶋 孝治 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (70280998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末岡 和久 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (60250479)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞力学 / がん細胞 / 細胞診断 / 細胞アッセイ / エルゴード性 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞を1細胞単位で診断する技術は、究極のがん早期発見技術と言っても過言ではない。本研究では、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、がんの進行度を1細胞単位で力学的に同定する新手法を開発する。この1細胞診断技術の基礎は、申請者等が最近見つけた細胞のエルゴード性である。平成30年度は、AFMを用いて、細胞のエルゴード性が満足される条件で細胞の粘弾性(レオロジー)が可能な1細胞力学的診断システムを開発した。細胞のエルゴード性を満足する最適条件の探索のため、各種細胞の形態制御が可能なマイクロパターン基板を作製した。具体的には、様々な幾何学的形状に細胞をパターン化するマイクロ加工基板、および、平面・立体の次元を制御したマイクロ加工基板を作製した。細胞力学特性を精密に計測する手法を考案し、1細胞レオロジーの網羅計測が可能な広範囲計測が可能なAFMシステムを開発した。また、1細胞から細胞集団へ適用できる実験システムを構築し、細胞集団における細胞力学特性の不均一性を明らかにした。この細胞力学特性の不均一性は、隣接した細胞間相互作用に起因しており、隣接細胞間を超える相関距離を有すること、そして、この細胞力学相関距離は、アクチン線維構造や細胞間接着タンパク質構造と密接に関係していることが分かった。本AFM手法を用いることにより、正常細胞とがん細胞とを含むヘテロな細胞集団における細胞間力学相互作用の探索が可能になると期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1細胞力学的診断システムを開発した。また、各種細胞の形態制御が可能なマイクロパターン基板を作製した。また、細胞力学特性を精密に計測する手法を考案した。さらに、1細胞から細胞集団へ適用できる実験システムを構築した。以上のように、本研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度は、本研究に必要な要素技術を開発した。具体的には、AFM技術、マイクロ加工基盤技術、細胞力学特性解析法、細胞集団計測法である。今度は、正常細胞と遺伝子改変したがん細胞を用いて、本技術を最適化し、エルゴード性を利用した細胞診断・アッセイ法の探索を行う。
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Research Products
(5 results)