2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of operando PTRF-XAFS technique and its application to 3D structure analysis of catalyst active sites under working conditions
Project/Area Number |
18H01864
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高草木 達 北海道大学, 触媒科学研究所, 准教授 (30359484)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オペランド偏光全反射蛍光XAFS法 / 担持金属触媒 / 三次元構造解析 / 担体効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究課題で開発を行うオペランド偏光全反射蛍光XAFS装置の最重要部である小型真空槽の設計・制作を行った。小型真空槽は、ガス存在下(超高真空~大気圧)かつ高温(<500℃)でのモデル表面上触媒反応を高感度検出でき、かつ偏光全反射蛍光XAFS測定が可能であることを要する。ステンレス鋼(SUS304)をベースとした有効内容積約50cm3の真空槽とし、内部には単結晶試料を取付けた試料ホルダーが固定され、外部からのヒーター(試料の下にシリコン基板をヒーターとして配置)の通電加熱による試料加熱と温度計測・制御を可能とした。また、小型真空槽には反応ガス導入ラインと取出しラインを取付け、取出しラインを通じてサンプリングした内部ガスの組成を、四重極質量分析計で分析することで、反応の進行状況をモニターできるようにした(バッチ式反応器)。なお、試料は別途、試料調製用大型超高真空槽(低速電子回折、XPS、金属蒸着装置などを装備)で作製し、それを大気に晒さずに小型真空槽に移送できるようにした。実際に、本真空槽でPt/Al2O3(0001)モデル触媒表面を調製後(Ptは蒸着によって担持)、大気に晒さずに小型真空槽に移送し、CO酸化反応を行ったところ、生成物である二酸化炭素を高感度検出することに成功した。さらに、この小型真空槽をゴニオメーターに設置し、X線全反射条件を最適化後に、反応中の偏光全反射蛍光XAFSスペクトルの測定にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、装置の設計・製作を本年度中に完了し、実際に触媒反応測定及び偏光全反射蛍光XAFS測定を行って、必要な性能には十分に達していることを確認したため。一方で、設計段階における仕様(例えば真空度)が一部得られていないなど、いくつか改善点が見つかり、原因の解明と改良を行っていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
真空度の改善や蛍光X線の更なる高感度検出など、装置の改良と最適化を行っていくとともに、CO酸化反応が進行している条件下でのPt活性点の電子状態と三次元構造決定(オペランド計測)を試みる。具体的には、Pt/Al2O3(0001)モデル触媒表面を用い、Pt担持量やガス分圧を系統的に変化させたときに、活性点三次元構造がどのように変化するかを解明し、最も活性な構造の特定を行う。さらに触媒反応で重要な担体効果を明らかにするため、酸化物担体をAl2O3(0001)から、より金属との相互作用が大きいと言われているCeO2(111)とし、担持されたPtの電子状態・三次元構造の変化と活性の相関について議論する。
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Research Products
(15 results)