2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H01880
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
白澤 徹郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (80451889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 卓也 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, グループリーダー (20466460)
Voegeli Wolfgang 東京学芸大学, 教育学部, 助教 (90624924)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 貴金属触媒 / 表面分析 / 放射光X線 / 赤外分光 / ガス触媒反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射光X線による触媒表面観察と反応ガスおよび反応生成ガスの質量分析を同時に行うためのその場観察用フロー式小型反応室の製作を行った。反応室内のガス置換時間が触媒反応を著しく律速することが無いように、試料室の容量が極力小さくなるように製作した。当初の予定では試料室の容量は15 mLであったが、詳細な検討の結果、放射光X線分析に必要な試料の上下駆動機構と加熱機構を備えると、試料室の容量15 mLを満たすことが極めて困難であることが判明したため、容量30 mLでの製作を行った。この試料室の容量増加に伴い、反応室内ガスの置換時間が当初予定の2倍になるが、想定しているその場観察実験においては支障が無いと見越している。作製したフロー式小型反応室の到達真空度が2x10-8 Pa以下であることを確認し、かつ既存装置に脱着可能であり超高真空下での上下駆動機構が問題なく動作することを確認した。 また、触媒表面の吸着種を赤外分光実験によってその場観察するためのフーリエ変換赤外分光光度計システムを製作した。赤外光を外部取りだしして、上記のフロー式小型反応室内の試料に照射できる機構を加えた。触媒表面に吸着した酸素種やCO分子を観察するために、測定波数領域を中赤外領域の4000 cm-1から400cm-1に設計した。また、バックグラウンドとなる水蒸気や二酸化炭素の影響を小さくするために、資料室外部および検出器部を真空排気できるようにした。標準試料を用いて想定した正常動作を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定どおり、その場観察用フロー式小型反応室の製作およびフーリエ変換赤外分光光度計システムの製作を完了した。他方、既存の回分式試料セルを用いての、大気圧酸素下での表面X線散乱測定によるPt表面酸化物の構造観察については、回分式試料セルの真空リークおよび試料加熱機構の不良により、当初予定していたデータ取得を達成できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度達成でなかった、大気圧酸素下での表面X線散乱測定によるPt表面酸化物の構造観察を行う。このために、回分式試料セルの不具合を至急解消し、予定していた表面X線散乱データの取得を行う。これと平行して、前年度に製作したフロー式小型反応室とフーリエ変換赤外分光光度計システムの立ち上げを完成させ、CO酸化反応中における白金表面構造の変化およびCO酸化活性変化のその場観察を行い、触媒反応過程を明らかにする。
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Research Products
(18 results)