2020 Fiscal Year Annual Research Report
電子ビームの軌道角運動量測定法の開発およびその応用研究
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18H01884
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
内田 正哉 埼玉工業大学, 付置研究所, 教授 (80462662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 晃 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (50292280)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 粒子線 / 量子ビーム / 電子ビーム / 軌道角運動量 / 波動関数 / 位相 / ボルテックス(特異点) / 回折格子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、電子ビームの軌道角運動量測定法を開発し、その応用研究を行うことを目的に研究を遂行している。令和2年度の主な成果は、以下の通りである。
年度当初から新型コロナの影響を受け研究活動の中断・遅延を余儀なくされた。そのため、理論的解析およびシミュレーションを主に行った。昨年度に開発した「ダンマン渦回折格子」(Noguchiら, Phys. Rev. Applied, 2019)をもちいて非弾性散乱電子検出を試みているが、期待した結果が得られていない。その理由の検討を行った。また、有限要素法をもちいる電磁場シミュレーションの結果、近接した2本の金属細線に正負の静電場を印加すると、モノポールに類似し、細線の先端を中心に電気力線が渦状になることが確かめられた。これをベースにした、電子の局所操作が可能となる電場型レンズ、位相板を発案、設計を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度、主に次の課題に取り組んだ。 1)「ダンマン渦回折格子」をもちいた非弾性散乱電子検出実験および理論的検討 2)電場型レンズ、位相板の発案、設計 以上のとおり、目標以上の達成をできた課題がある一方で、遅れが認められる課題もあるが、全体計画の想定内であり、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
開発している軌道角運動量検出器をもちいて、応用研究の対象を広げる。特に非弾性散乱電子の軌道角運動量検出を目指す。また、電場型レンズ、位相板を電場型軌道角運動量検出器に繋げる。
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