2018 Fiscal Year Annual Research Report
層状BNを用いた大面積可能な金属基板、ガラス基板上へのGaN系デバイス成長
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18H01886
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小林 康之 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (90393727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 浩 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (00513342)
中澤 日出樹 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (90344613)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | BN / MBE / ガラス基板 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは、2012年に六方晶窒化ホウ素(h-BN)が、サファイア基板上GaN系デバイス構造のバッファ層として機能するのみならず、機械的転写の剥離層としても機能することを発見した。本研究の目的は、上記発見におけるh-BNのバッファ層としての機能をさらに発展させ、デバイスの大面積化が可能な金属基板、ガラス基板上に単結晶h-BN超薄膜を成長し、さらにその単結晶h-BNバッファ層上にGaN系デバイス構造を成長することである。プラズマ支援分子線エピタキシー(MBE)により高熱耐性タイプの合成石英ガラス基板上にBN薄膜を基板温度1000℃で成長した。X線反射率プロファイルから、約5回の反射率の振動が観測され、ガラス基板上に成長したBN薄膜表面が平坦であることがわかり、その反射率のフィッティングより得られたBN薄膜の膜厚は16nmであった。また、ガラス基板上に成長したBN薄膜の吸収スペクトルから、200nmの短波長に近づくにつれ吸光度が急激に増大する吸収スペクトルが観測され、この吸光度の増大は、h-BNのバンドギャップ5.95eVによる吸収だと考えられる。ガラス基板上のBN薄膜の原子間力顕微鏡観察により、その自乗平均面粗さは0.7nmであった。成長時間を制御することにより、膜厚3nmのBN薄膜も得ることができ、その吸収スペクトルもh-BNバンドギャップによる吸光度の増大を示した。以上の結果は、ガラス基板上にMBEにより、膜厚3nmから16nmのBN薄膜の成長に成功したことを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ガラス基板上にMBEを用いて、膜厚3nmから16nmのBN超薄膜の成長に成功した。吸収スペクトルから、h-BNバンドギャップによる200nm付近の吸光度の増大を観測し、原子間力顕微鏡による表面観察からRMSラフネスが1nm以下であることを確認できた。ただし、今後ラマン散乱により、h-BNのE2gピークを観測する必要があると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ガラス基板上にMBEにより膜厚3nmから16nm程度のBN薄膜の成長に成功し、そのBN薄膜は原子間力顕微鏡による評価から原子レベルで平坦であり、また200nm付近に吸収を有する吸収スペクトルを示した。今後、ラマン散乱により、h-BNのE2gピークを観測するとともに、そのBN薄膜の高品質化を進める。ガラス基板上BN薄膜の高品質化後、ガラス基板上h-BN超薄膜上に、AlNバッファ層を用いて、GaN薄膜を成長し、そのGaN薄膜の結晶性をX線回折、原子間力顕微鏡より評価していく。
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