2019 Fiscal Year Annual Research Report
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18H01898
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉井 一倫 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 特任准教授 (90582627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
洪 鋒雷 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (10260217)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 超短パルスレーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
光の極限制御技術[M. Katsuragawa and K. Yoshii, PRA, 95, 033846 (2017)]を駆使し,約400アト秒(as = 10^-18 s)の パルス幅,約4 フェムト秒(fs = 10^-15 s)の繰り返し時間を有す,任意の光電場波形を形成できる「光電場の任意波形発生器(Optical function generator: OFG)」の開発を目指し研究を行った. 本研究の意義は,本手法が伝統的なパルス圧縮法が持つ弱点を克服できる点にある.まず,空間的に光を分散させる必要が無く,空間モードを高品質に保つことができる.次に,ガラスや結晶などの無垢の透明媒質のみを用いるため適用帯域が非常に広く,同時に高いダメージ閾値を有する.これらの特徴は,このパルス圧縮法が非常にシンプルかつ堅牢であり,発生するアト秒パルスの高出力化が可能であることを約束する.アト秒時間領域の非線形現象を容易に発現できると予想される. 今年度の実施計画に基づき結果以下に示す研究実績を挙げた.波長1064 nmの注入同期型Q-swiched Nd:YAGレーザー(Surelite-I, Amplitude社)から出力されるナノ秒パルス光を導入し,これを基本波光源として準備を整えた.また,光周波数標準(ヨウ素安定化Nd:YAGレーザー)に安定化されたErファイバー光周波数コムに注入同期用シードレーザーをロックする.これによりフリーランニングと比較し数千倍の周波数安定度向上と長期的なCEP制御を行った. これらに関わる成果を国際雑誌6本,国際会議3件,国内学会10件で報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は上記の目標実現のため,以下の研究計画を予定していた. 1.光電場の任意波形発生器の光源部構築.2.光電場の任意波形発生器の周波数高安定化と光周波数コムの整備.3.広帯域離散スペクトル用SPIDER装置の開発とパルス幅計測. その結果,以下のような達成状況にある.1.基本波光源として,波長1064 nmのナノ秒パルス光を出力する注入同期型Q-swiched Nd:YAGレーザーを導入した.2.光周波数標準(ヨウ素安定化Nd:YAGレーザー)に安定化されたErファイバー光周波数コムを開発した.同時に波長1064 nmの狭線幅半導体レーザーを光源としたヨウ素安定化レーザーを開発し,これを注入同期のシード光としている.これによりフリーランニングと比較し数千倍の周波数安定度向上を行った.また,周波数安定化レーザーと位相同期可能な高速制御型の光周波数コムを開発し,その高機能化を行った.3.以前の研究で代表者らが開発した広帯域離散スペクトル用SPIDER装置を本研究の波長域に合うように設計の変更を行った. H31年4月より代表者の所属が横浜国立大学から徳島大学へ変わり,それに伴い本実験を遂行する主要な場所も徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所へと移動した.そのため,本年度の当初は装置の移動や実験室自体の立ち上げに費やした.当初の計画よりも周波数安定化レーザーと光周波数コムに経費がかかり,Nd:YAGレーザーの基本波から第5次高調波までを発生させる波長変換ユニットの調達が遅れていた.一方で基本波光を用いて振幅・位相制御装置やパルス幅測定装置の設計・組み立てを進めた.具体的には,合成石英とフッ化カルシウムプリズムをそれぞれ高精度移動ステージに取り付け一体化させた位相制御装置を作成した.
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように,今年度中の研究はやや予定より遅れている. 新らしい研究室の立ち上げもほぼ完了し今後は本研究課題を当初の予定通り進められる.最終年度であるR2年度は,これまでの遅れを取り戻し,アト秒パルス列発生を早々に実現させたい.その後,相互作用実験として真空中での電子線の操作や気体原子分子からの高次高調波をデモンストレーションする. また,得られた成果の国際学会や国際誌への報告を行っていく.
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] Narrow-linewidth and highly stable optical frequency comb realized with a simple servo control system in a mode-locked Er:fiber laser2019
Author(s)
Kazumichi Yoshii, Yu Asahina, Yuko Yamada, Yusuke Hisai, Sho Okubo, Masato Wada, Hajime Inaba, Takemi Hasegawa, Yoshinori Yamamoto, and Feng-Lei Hong
Organizer
CLEO: 2019, SW3G.8
Int'l Joint Research
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