2020 Fiscal Year Annual Research Report
Manifacturing room-temperature polariton devices based on organic microcavity
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18H01900
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
香月 浩之 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (10390642)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 励起子ポラリトン / 有機半導体 / 超高速分光 / 強結合状態 / マイクロキャビティ / ブロッホ表面波 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、2020年度はポラリトン凝縮を示すTDAFキャビティ試料を用いてフェムト秒ポンプ-プローブ実験を行った。励起光の条件を変えて過渡吸収スペクトルを観測し、励起状態のダイナミクスについて観測することに成功した。波長と入射角度を固定して入射強度を変更した場合、ポラリトン凝縮の閾値前後で明白な寿命の変化が観測された。励起波長を掃引し、上枝ポラリトン周辺から下枝ポラリトンの周辺まで変化させたところ、励起状態の緩和速度は、熱浴に相当するポラリトンを構成していない励起子帯の周辺を励起した際に最も速くなった。さらに、入射角度を最適化して下枝ポラリトンを直接励起した場合には、高入射角度で励起した際に緩和が速くなることが確認された。この結果は、熱浴励起子から下枝ポラリトンへの効率の良い緩和パスの存在を示しており、TDAFの振動モードへのエネルギーの散乱による緩和によると考えられる。 ブロッホ表面波(BSW)と有機半導体薄膜中の励起子が結合したBSWポラリトン状態についての理論計算では、表面電場の局在性および有機薄膜の厚さとラビ分裂パラメータの間の関係性を明らかにし、結果を論文誌に発表した。 可視光励起による有機半導体薄膜のキャリアダイナミクス計測実験では、励起波長をバンド端に近づけていくことで、自由キャリアの直接励起よりも励起子状態の生成がより主体的になり、それに応じてプローブとして用いたTHz光の透過率の変化が小さくなる様子が観測された。励起子からの熱励起による自由電子の生成が室温では効率的ではないことが立証され、論文誌に発表した。この結果は同じ励起子をキャビティ中で生成した場合でも、熱による励起は起こりにくく、室温でポラリトンとして安定に存在しうることを示しているため、今後のポラリトンダイナミクス実験にも応用できると期待される。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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