2021 Fiscal Year Annual Research Report
Sophistification of monitoring system for subsurface fluid flow using fluid flow electromagnetic method
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18H01926
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水永 秀樹 九州大学, 工学研究院, 准教授 (40226246)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 流体流動電磁法 / 資源流体の可視化 / 物理探査 / 電磁探査 / リアルタイムモニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
流体流動電磁法は、石油や地熱流体などの地下の資源流体の流動によって生じる電磁場変化を、地表の多点の観測点で同時測定して、地下の資源流体の三次元的な流動方向をモニタリングするための新しい探査手法である。この流体流動電磁法を実現するためには、電場2成分と磁場3成分を同時に測定できる小型の探査装置が必要である。 これまでに、磁場センサにMIセンサを利用した流体流動電磁法の試作機を手作りしてきたが、ハンドメイドによる電子基板製作の限界があり、多くの点で満足のいく性能が得られなかった。例えば、電磁場のアナログ信号をAD変換してデジタル信号に変換する際、これまでは組み込みマイコンの性能から14ビット程度の分解能しか使用できなかった。また、電場については微小信号を増幅する必要があり、信号を増幅する高倍率のアンプが必要であることもわかった。さらには、電磁場の時間変動を詳細に調べるためには、正確な時間同期が必要となるが、これも使用したリアルタイムクロックの性能のため、長時間測定すると少しづつ時間遅れが生じることが試作機のテスト実験で判明した。 このような手作り試作機の短所を整理し、それらを克服するための回路設計を実施した。具体的には、AD変換については24ビットのAD変換が可能なICを採用し、時間冠詞のためのクロックには高精度なリアルタイムクロックのICを採用した。また、この測定回路にはサブギガ無線を使ったデータ伝送機能を組み込むことにした。さらに、長期間のモニタリング測定を可能にするため、省電力を考慮した回路設計を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地下の資源流体の三次元流れをモニタリングするための流体流動電磁法を実現するため、これまでに何度も測定回路の設計変更と試作を繰り返してきた。現状の試作機では、電場と磁場の同時測定が、ある程度の測定精度で実施できるところまで到達した。また、これまでの試作機の設計と試作およびテスト調査によって、実用機に求められる電磁場信号の測定条件や測定精度が明らかになってきた。新型コロナウイルスの感染状況もあり、思うような野外調査は実施出来ていないが、上記の理由で測定回路の見直しおよび設計・試作は順調に進んでおり、研究計画全体を考えても、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、地下資源流体のリアルタイムモニタリングを実現させるため、流体流動電磁法の測定装置の開発に重点を置いて研究を進めてきた。研究はおおむね順調に進んでいるが、ハンドメイドの電子基板の開発はそろそろ限界に近付いてきたので、今後はこれまでの試作機ノウハウを追加した新しい測定基板を設計し、外部の専門業者に電子基板の製作を依頼する予定である。さらに、この試作機を使った野外実験を実施し、流体流動電磁法の試作機の性能評価を実施すし、流体流動電磁法の有効性の評価を計画している。
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