2018 Fiscal Year Annual Research Report
Spatial and temporal variation of the formation of hydrothermal metallic deposit system: Insight from redox condition
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18H01927
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
米津 幸太郎 九州大学, 工学研究院, 准教授 (90552208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TINDELL THOMAS 九州大学, 工学研究院, 学術研究員 (20736053)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 熱水性金属鉱床 / 酸化還元条件 |
Outline of Annual Research Achievements |
地化学ツールとしての希土類元素の持つ酸化還元に敏感な地化学的特長を活かした局所分析を、浅熱水性・斑岩銅型・スカルン・オロジェニック・海底熱水などの熱水が関与して形成された各種鉱床タイプの鉱石及び脈石に対して精度の高い局所分析を行うことで、改めて精密な鉱化環境の推定・解析を行い、熱水系システム全体のダイナミズムとして構築を目指した。S、H、Oといった安定同位体分析やU-Pb、Ar/Arの年代測定を+αすることで、鉱床の生成場の時空間的変遷を明らかにすることも併せて行った。 本研究で対象とした熱水性金属鉱床の鉱石・脈石試料は日本、アジア、アフリカ地域の品位・規模の面から見て世界トップクラスの鉱山からの試料であり、インドネシア・パプア島のグラスベルグ斑岩-スカルン型金-銅鉱床試料、ミャンマー南部のスズ鉱床、フィリピン・ルソン島の熱水性金鉱床、伊豆-小笠原弧海底熱水系のチムニー試料に対して新規調製した固体標準試料を用いてLA-ICP-MSにて局所分析を行うことで、従来では評価しづらかった低濃度希土類元素定量を通じた鉱化環境(特に酸化還元環境)の解明と流体包有物中の化学組成分析を行った。これらを従来の全岩化学組成分析や顕微鏡観察による鉱物組み合わせ、流体包有物均質化温度測定と組み合わせることで、鉱化前後での微量元素の挙動の違い、希土類元素パターンの違いを確認することができた。特に、石灰石と熱水との多様な化学反応の結果生じるスカルン鉱石試料では、温度の低下におよび深部熱水の混合割合に応じた希土類パターンの変化が読み取れ、ここに安定同位体の結果を加味しての新たな解釈を加えることを試みた。さらに、モンゴルの金-銅鉱化帯試料やカンボジア銅鉱床の試料の採取を追加で行い、これら試料に安定同位体測定も進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地化学試料の採取・調製・分析に関してはおおむね順調に進んでおり、結果として全体的には順調に推移している。多様なマトリックスを持つ地化学試料の1つ1つの分析精度を判断するのに、困難が伴うことが多くあるが、それらは従来のバルク分析の利点や安定同位体結果の解釈を加味することで、乗り越えることができた。研究対象鉱床タイプをより手広くすること、多くの地化学分析を総合的に用いるため分析プロトコルをより明確にすること、結果のGISなどを用いた集約を行うことなどを図っていきながら、研究の進捗を支えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の今後の推進方策は平成30年度と大差はないが、幅広い鉱床タイプから採取してきた地化学試料の網羅的な分析により、新たな知見を得られるように努める。その中で、過去の熱水活動の産物である鉱床の研究では、端成分が見えないことも多い。そこで、現在も活発な熱水活動をしている熱水系(温泉・地熱発電所)の地化学試料の適切な活用方法を模索し、研究を推進することを考えたい。また、年代測定データがまだまだ不足しているので、その部分の強化を安定同位体測定の推進とともに進めていく。
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Research Products
(29 results)
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[Presentation] Petrology, Geochemistry and U-Pb Dating of Host Rocks in the Sangilo Epithermal Deposit, Baguio Mineral District, Philippines2018
Author(s)
Jillian Aira Gabo-Ratio, Karl Jabagat, Marlene Ariam Aguilera Pradenas, Naoto Kugizaki, Nichole Anthony Pacle, Jessamin Belle Demegillo, Omar Soberano, Valerie Shayne Olfindo, Betchaida Payot, Kotaro Yonezu, Yuan Hsi Lee, Karlo Queano, Eric Andal, Carla Dimalanta, Graciano Yumul, Jr.
Organizer
Asia Oceania Geoscience Society 2018
Int'l Joint Research
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