2019 Fiscal Year Annual Research Report
High-speed time-resolved observation of electrode reaction
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18H01935
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中村 将志 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (70348811)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 時分割計測 / 電気二重層 / 表面X線回折 / ステップスキャン |
Outline of Annual Research Achievements |
固体電極と電解質溶液の界面では,イオンや溶媒がバルクとは異なる分布や配向をとり電気二重層を形成する。多くの電極反応では,反応物が電気二重層を通過し電極表面に到達後に反応が進行する。電極反応の高活性化には,電極基板側の開発だけでなく電気二重層の構造も活性に影響を及ぼすため,その構造や反応中のダイナミクスの理解が必要である。本研究では,パルスレー ザーを用いて,電極表面近傍を局所的に加熱し,その後の過渡構造を理解し電気二重層内のイオンや溶媒間の相互作用を明らかにすることを目的としている。2018年度にパルスYAGレーザーを導入し,電気化学的な応答を明らかにしてきた。2019年度は主に2つの測定を実施した。1つは時分割X線回折測定であり,SPring-8 BL13XUにおいて課題番号2019B1187において実施した。Pt(111)単結晶上にパルスYAGレーザーを照射し、その後の回折強度測定を行なったところ100 ns以内での回折強度変化を観測した。加熱による基板または吸着層の構造変化によるものであり,次に述べる赤外分光で詳細を追跡している。今後,さらに時間分解能の高いスケーラーを用いた実験を実施していく。また,赤外分光による時分割計測では,吸着種のバンド強度を大きくするためにSi基板上にPtおよびAuを無電解メッキし,表面増強赤外分光を行なった。ステップスキャンによりパルスレーザー加熱後のスペクトル変化を確認した。単結晶電極に適用するために赤外反射吸収分光に発展させていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パルスレーザーによるX線回折および赤外分光の時分割計測システムを構築し,これらの測定手法を用いて電極界面での過渡構造観測に成功している。さらなる時間分解能の向上や単結晶電極への展開により当初計画を実行できる状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度までに確立した時分割X線回折および時分割赤外分光を用いて,Pt単結晶表面上における酸素還元反応などの電極反応中の過渡構造の解明に挑戦する。電気二重層内のイオン種と溶媒および基板表面の構造変化を追跡し,電気二重層内の各化学種がどのような相互作用をし反応に関与しているか明らかにする。2019年度までに測定した過渡電流や電圧など電気化学データとミクロ構造との相関を解明する。
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Research Products
(2 results)