2020 Fiscal Year Annual Research Report
孤立系および結晶の統一的電子励起状態・ダイナミクス精密第一原理計算手法の開発
Project/Area Number |
18H01939
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
大野 かおる 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (40185343)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 第一原理計算プログラム / 全電子混合基底法 / GW近似 / Bethe-Salpeter方程式 / XPS / 光吸収エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で開発・改良を進めているTOMBOを用いて、C60へのMo原子とAu原子の打ち込み内包の第一原理分子動力学シミュレーションを実行するためのプログラムの整備を行い、C60の六員環中央に垂直にMo原子とAu原子をそれぞれ40 eVと80 eVの運動エネルギーで衝突させるシミュレーションを行った。これらの原子は六員環を通過して内包されM@C60が形成される(M=Mo, Au)。これより、Mo原子、Au原子のような重い原子が衝突によって内包された後もC60はM@C60として壊れることなく安定に存在し続けることが確認できた。この計算結果については論文投稿中である。
一方、多体摂動論のGreen関数法では、グリーン関数に対する電子間クーロン相互作用の効果が全て自己エネルギーに取り込まれるが、自己エネルギー関数がエネルギーに依存するため、Green関数を対角的に表示する基底関数である準粒子波動関数は正規直交性を満たさず線形独立でもない。このことが自己無撞着GW近似等で問題になる。特に自己無撞着GW近似はワンショットGW近似に比べてエネルギーギャップを過大評価することが知られている。ワンショットGW近似における自己エネルギーのエネルギー依存性の繰り込みの効果もこれまであまり議論されてこなかった。そこで、我々はTOMBOを用いて、複数の原子・分子に対して、ワンショットGW近似における自己エネルギーのエネルギー依存性の繰り込みの効果や自己無撞着GW近似における自己エネルギーのエネルギー依存性の線形化(LGW法)の効果などを議論し、これらの効果がいずれもエネルギーギャップを縮める傾向にあることを明らかにした。また、Bethe-Salpeter方程式を解かずに、1価陽イオンのGW計算を行う我々独自の方法を用いて光吸収エネルギーへの効果も調べた。これらの計算結果については論文投稿予定である。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(18 results)