2019 Fiscal Year Annual Research Report
Magnetoimpedance Study on Carrier Dynamics in Orgaic Semiconductor
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18H01951
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
生駒 忠昭 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10212804)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 磁気インピーダンス / 有機太陽電池 / 磁気伝導効果 / 磁気静電効果 / 荷電キャリア / 空間電荷 / 励起子 / スピン角運動量保存ダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
広い周波数領域の磁気インピーダンスを正確に計測するため、磁極に挟まれた狭小空間に素子を固定できるアタッチメントや伝送線を改良した。その結果、10-1~107 Hzの帯域でインピーダンスを計測できるシステムを構築した。 磁気伝導(MG)効果の機構解明を目的に、p型半導体高分子Poly[2-methoxy-5-(3’,7’-dimethyloctyloxy)-1,4-phenylenevinylene (PPV)薄膜を用いた単膜ダイオード(PPV-OSD)およびp型半導体立体規則性ポリチオフェン(P3HT)とn型半導体のフラーレン誘導体(PC60BM)を用いた単一接合太陽電池(P3HT|PC60BM-OSC)について研究した。 暗状態で整流効果ならびに明状態で光起電力効果を示すPPV-OSDについては、短絡条件におけるインピーダンスと磁気インピーダンスを計測した。暗状態におけるGは周波数と共に単調に増加し、Cはほとんど周波数にほとんど依存せず一定値を示した。光照射すると低周波数領域のGとCが増加した。これらは、光照射によって可動性キャリアと空間電荷が注入されたことを示している。また、低周波数領域において、MG効果とMC効果を調べたところ、低磁場ではどちらも正性効果を示している一方で、高磁場では負性MG効果と正性MC効果が観測された。 エネルギー変換効率1%程度のP3HT|PC60BM-OSCに関して、暗状態のインピーダンスを主に計測した。P3HT|PC60BM-OSCは上述のPPV-OSDと異なるGとC分散曲線を示した。最も興味深い特徴は、分散曲線が高周波数領域で、ステップ構造を示した点である。観測された分散曲線は、時定数の異なる2つのRC並列回路を直列連結した等価回路シミュレーションによって再現することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
狭小空間用アタッチメントの設計と製造に時間がかかった。また、新規に購入したインピーダンスアナライザーを制御するためのソフトウェア開発が難航したため、想定よりも研究が進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた結果に関しては解析を進め、成果を専門学会ならびに学術雑誌に公表する。一方、実験も継続する。具体的には、同一基板上に作成された素子同士のインピーダンスに対する干渉効果を除去するために、狭小空間用アタッチメントを改良する。さらに、開発途上であるインピーダンスアナライザー制御ソフトウェアを完成させ、種々の太陽電池に関して磁気インピーダンス分光実験を行う。
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Research Products
(21 results)