2020 Fiscal Year Annual Research Report
プラズモニックナノ構造を駆使した多励起子緩和過程制御法の確立
Project/Area Number |
18H01958
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
増尾 貞弘 関西学院大学, 理工学部, 教授 (80379073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 光陽 関西学院大学, 理工学部, 助教 (20802226)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 量子ドット / プラズモン / 単一分子検出 / 単一光子 / ナノ粒子 / 金属ナノ構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
発光材料や光電子デバイスの高効率化には、効率的に励起子を生成させ、その励起子を有効に活用することが必要不可欠である。しかしながら、複数の励起子 (多励起子)が生成すると「励起子消滅」が起こり励起子は失活してしまう。本研究の目的は、プラズモニックナノ構造を駆使し「励起子消滅が起こる前に多励起子から多光子を取り出す、または励起子消滅後に1つの励起子から1つの光子を取り出す方法」を確立することである。この目的を達成するために、本年度は以下の研究項目を行い研究実績を得た。 ・1次元周期構造からなるプラズモニック構造を用いた光子取り出し プラズモニック構造として、1次元(直線状)の周期構造(ピッチ長480 nm)をもつ銀構造を用い、半導体量子ドット(QD)からの光子取り出しを検討した。このプラズモニック構造は、周期や形状、構造上の屈折率により、プラズモン共鳴波長を制御できるメリットがある。そこで、発光体としてQDを用い、QDの吸収波長、および発光波長とプラズモン共鳴波長の関係を制御することにより、QDからの光子取り出しとの相関を精査した。プラズモニック構造とQD間の距離は、銀構造上のシリカ層、およびQDを分散させる高分子層の厚さにより制御した。波長の関係について調べたところ、QDの吸収波長とプラズモン共鳴波長の重なりが大きい場合にQDの発光強度の増強が見られ、QDの発光波長との重なりはあまり影響を及ぼさないことがわかった。このことから、発光過程の増強よりも、励起過程の増強が顕著であることがわかった。そのため、発光が金属により消光されないように、銀-QD間距離を30 nm程度にすると発光強度が平均で約5倍増強することを見出した。取り出せる発光光子数については、単一光子であることがわかり、このプラズモニック構造を用いると、増強した単一光子発光が得られることがわかった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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