2020 Fiscal Year Annual Research Report
π電子イオニクス:電荷を有するπ電子系の合成と自在な集合化
Project/Area Number |
18H01968
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
前田 大光 立命館大学, 生命科学部, 教授 (80388115)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | π電子系 / イオンペア / 集合体 / 半導体物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、新たなπ電子系イオンを創製し、その集合化および電子機能材料・デバイスへの展開、さらに物性や集合体形態に関わる学理の解明に挑戦した。本年度は、構造・電子的に適した電荷種(イオン)を設計・合成し、その間にはたらく相互作用を制御することによって、電荷的に中性なユニットからなる集合体を凌駕した物性を発現する電子機能マテリアルへの展開が可能になる(Mol. Syst. Des. Eng. 2020, Chem 2020)。荷電π電子系の前駆体であるアニオン応答性π電子系に関し、分子論理ゲートへの展開の可能性(Org. Biomol. Chem. 2020)や窒素置換基の導入(Molecules 2021)、らせん型アニオン会合体の形成(Eur. J. Org. Chem. 2020)、架橋部位(1,3-ジケトン)への遷移金属の導入(Inorg. Chem. 2020, Molecules 2021)を実現した。また、、脱プロトン化によって生じるアニオン部位を水素結合によって安定化したπ電子系アニオンを基盤とし、イオンペアメタセシスによる多様なイオンペア集合体の構築を実現し(Org. Lett. 2021)、一方、1,3-ジケトン骨格の改変によって湾曲π電子系を新たに合成し、その水素結合環状集合体がC60を会合した集合体における光誘起電子移動を観測した(J. Am. Chem. Soc. 2020)。さらに、ピロールからなるπ電子系のスメクチック液晶における、電場応答性(強誘電性)の発現を明らかにした(Org. Lett. 2021)。さらに、2Dパターニングにおけるπ電子系分子の反応過程の実空間イメージング(J. Am. Chem. Soc. 2020)、アニオン応答性π電子系のアニオンセンシングに関する静水圧による制御(Chem. Sci. 2021)、B-N結合を有するπ電子系カチオンからなるイオンペア集合化(Angew. Chem. Int. Ed. 2021)に関する内容を共同研究で実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
π電子系イオンからなる集合体の構成ユニットの形成手法として、π電子系に導入した酸ユニットの脱プロトン化による電荷付与とイオン会合体を形成するπ電子系の合成を中心に、多様な骨格の構築および周辺置換基の導入を実現した。また、荷電π電子系の組み合わせ(イオンペアリング)を探索し、イオンペア集合体における物性発現の基礎となる研究が実施できた。さらに、荷電π電子系へと展開しうる新たなπ電子系の合成と集合体の形成に成功した。このように、π電子イオニクスを展開する事項を発表論文としてまとめ、公表することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
電荷を付与したπ電子系骨格の設計・合成、周辺修飾・誘導体の合成、電荷付与手法の開拓・検証、集合化に関わる最適化、さらに得られた集合体(材料)の物性・機能性への展開を継続して実施する。
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[Journal Article] Real-Space Imaging of a Single-Molecule Monoradical Reaction2020
Author(s)
Song Shaotang、Guo Na、Li Xinzhe、Li Guangwu、Haketa Yohei、Telychko Mykola、Su Jie、Lyu Pin、Qiu Zhizhan、Fang Hanyan、Peng Xinnan、Li Jing、Wu Xinbang、Li Ying、Su Chenliang、Koh Ming Joo、Wu Jishan、Maeda Hiromitsu、Zhang Chun、Lu Jiong
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Journal Title
Journal of the American Chemical Society
Volume: 142
Pages: 13550~13557
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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