2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H01983
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
神川 憲 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40316021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 郁子 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (40271176)
津留崎 陽大 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40623848)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヘリセン |
Outline of Annual Research Achievements |
複数のヘリセン部位を有する多重ヘリセンは盛んに研究が行われており、その光学的特性にも興味が集まっている。したがって、特異な光学的特性を有する多重ヘリセン類を直接的に合成することが潜在的に可能な遷移金属触媒を用いた不斉合成法の開発は、さらなる光学特性を展開に必要不可欠にも関わらず、その報告例は依然として非常に限られていた。2017年に当研究室ではPd触媒を用いたヘリセニルアラインの[2+2+2]環化三量化により六重ヘリセンの合成を達成し、報告している。 そこでヘリセニルアラインとアルキンとの交差[2+2+2]環化三量化により、より高い多重度を有する三重ヘリセン類の触媒的不斉合成が可能となるのではないかと考えた。 まず、2-メチルナフタレンより数段階を経て得られるヘリセニルアライン前駆体2を合成し、アセチレンジカルボン酸ジメチルとのPd触媒を用いた交差 [2+2+2] 環化三量化反応による三重ヘリセンの合成が可能であるかを検討した。反応条件を精査した結果、最高で収率63%で目的化合物を得ることに成功した。つぎに不斉合成を検討するに先立ち、上記で得られたラセミ体を光学分割した後、熱的条件下におけるラセミ化速度を測定することで、の活性化エネルギーを算出した。その結果、29 kcal/molのラセミ化障壁であることが判明し、 三重ヘリセンが室温以下では安定にそのキラリティーを保持することが明らかとなった。以上の結果をもとに、続いて触媒的不斉合成の検討を行った。様々な不斉配位子を用いて種々検討を行ったところ、 (S)-QUINAP を用いたときに収率 49%、エナンチオ選択性 96% ee で三重ヘリセンを得ることができた。また、実験的、理論的な考察を行った結果、本反応は動的速度論的分割を経て、立体選択的に進行していることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)