2020 Fiscal Year Annual Research Report
Thermodynamics, structure and dynamics of ultra-concentrated electrolyte solutions and solvate ionic liqudis
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18H01994
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
梅林 泰宏 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90311836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 恭男 山形大学, 理学部, 教授 (60202024)
松岡 史郎 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10219404)
渡辺 日香里 東京理科大学, 理工学部先端化学科, 助教 (90876070)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 溶媒和イオン液体 / 超濃厚電b改質溶液 / イオンホッピング / 相補的最小自乗解析 / 誘電緩和分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
グライム系溶媒和イオン液体では、電極界面でリチウムイオンがグライムによる配位子交換を経て、リチウムイオン掃出し効果ともいうべきドミノ式リチウムイオン輸送が提案れさている。グライム系溶媒和イオン液体の特殊なイオン伝導機構を明らかにするには、誘電緩和分光が有用である。実際、グライム系溶媒和イオン液体の誘電緩和スペクトルでは、従来の非水溶媒系電解質溶液では観測されていない極めて遅い緩和課程が観測され、この緩和はグライム鎖長が長くなるにつれ速くなり、イオン導電率および粘性率とよく相関した。つまり、この緩和過程がイオン伝導を支配しており、グライム鎖長が長くなるとイオン導電率が向上する奇妙な現象をよく説明する。そこで、スルホラン(SL)系超濃厚溶液中の特異なリチウムイオン伝導機構を明らかにするため、誘電緩和分光を行った。LiBF4:SL=1:10 および 1:2、ならびに、LiTFSA:SL=1:2 の誘電緩和スペクトルでは、超濃厚溶液で、グライム系溶媒和イオン液体と同様の極めて遅い緩和が観測された。この緩和時間は、SL系超濃厚電解質溶液のイオン導電率および粘性率とよく相関し、グライム系溶媒和イオン液体と同様に、この緩和過程がイオン伝導を支配することを明らかにした。Raman分光データを相補的最小二乗法により解析して得られた化学種の固有Ramanスペクトルと生成分布関数によれば、超濃厚溶液では、グライム系溶媒和イオン液体およびスルホラン系超濃厚溶液ともに接触イオン対(CIP)や会合体(AGG)が生成する。一方、リチウム塩超濃厚水溶液系では、このような遅い緩和は観測されず、CIP/AGGが生成するものの、これは粘性緩和に寄与するがイオン伝導緩和には寄与しなかった。以上の結果を考慮すると、スルホラン系超濃厚溶液中で生成するCIP/AGGの構造が、高速リチウムイオン伝導機構の鍵を握ることが明らかである。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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