2018 Fiscal Year Annual Research Report
Stimuli-Responsive Synthetic Ion Channels Based on Metal-Organic Polyhedra
Project/Area Number |
18H01995
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古川 修平 京都大学, 高等研究院, 教授 (90452276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 竜司 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90401702)
坂口 怜子 京都大学, 高等研究院, 特定助教 (80723197)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | イオンチャネル / 金属錯体多面体 / ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、金属錯体多面体(MOP)分子を脂質膜へ埋め込み、MOPが有するナノ細孔を介したイオン伝導性を、光・タンパク質 といった様々な 物理的・化学的な外場により制御することを目的とする。具体的には、(1)外場応答性部位を有するMOP分子の合成及び脂質膜中への融合、(2)単分 子レベルでのイオン電流計測、(3)細胞膜への融合による生体応用を行う。申請者は「世界にさきがけて」、ナノ細孔を有する金属錯体多面体の脂質膜への導入、イオン伝導解析手法を確立した実績を有している。本申請で は、様々な外場に応答して単分子レベルでイオン伝導制御が可 能な人工イオンチャネルを合成し、タンパク質からなる天然イオンチャネルを凌駕する分子を創造するための足がかりとする。 初年度は、MOPの周辺を人工ペプチドで修飾する手法の確立を目指した。ロジウムを中心金属に有する立方八面体型のMOPに対し、様々なアミノ酸による中心ロジウム部位への配位を検討したところ、プロリンの窒素原子がパドルウィール型ロジウムイオンのアキシャル位に配位することを明らかにした。これにより、プロリンを末端に有する人工ペプチドによりMOPを修飾することが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
酵素にとの反応によりイオン伝導が制御可能なシステム構築を目指し、人工ペプチドによりMOP周辺を修飾することを目的として研究を推進した。そのためには、まずどのようなMOPとアミノ酸の組み合わせによりMOP/アミノ酸複合体が形成可能であるかを網羅的に調査した。 その結果、ロジウムイオンを中心金属に有する立方八面体型MOPに対し、プロリンが安定な配位結合を形成しうることを明らかにした。これにより、酵素によるリン酸化部位を有する人工ペプチドを合成し、末端をプロリンとすることでMOPへ配位可能となり、MOP/ペプチド複合体の合成が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、末端にプロリンを有する人工ペプチドを合成し、MOPとの複合体形成を行い、実際に脂質膜へ導入しイオン電流を計測する実験を行っている。ここでは、人工ペプチドの長さ、リン酸化部位の調整、などを検討し、キナーゼによりリン酸化することでイオン伝導のオンオフを調整するシステムの構築を目指す。
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Research Products
(3 results)