2019 Fiscal Year Annual Research Report
Contribution of Energy Elasticity in Gel Elasticity
Project/Area Number |
18H02027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 崇匡 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (70456151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片島 拓弥 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 特別研究員 (20759188)
赤木 友紀 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (40782751)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ゲル弾性 / ゴム弾性 / エントロピー弾性 |
Outline of Annual Research Achievements |
高分子の三次元網目が水を含んだ材料である高分子ヒドロゲルは、生体組織に類似した組 成を有しているために、細胞足場材料や組織代替材料として期待されている材料である。しかしながら、材料としての理解が十分ではなく、その期待に比して応用例は多くない。 申請者らはこれまでに、均一で制御された高分子網目を得るための方法論を世界で初めて開発し、構造・物性の相関を明らかにしてきた。近年では、得られた知見に基づいて、人工硝子体を初めとしたバイオマテリアルとしての応用も進めつつある。
ところが、最近のプレリミナリーな実験により、高分子ゲルのセントラルドグマとも呼べるエントロピー弾性を覆す結果が得られた。その結果、高分子ゲルの弾性を熱力学に立ち戻って理解することが必要となった。本申請では、構造明確なゲルの弾性について詳細に調査し、「ゲル弾性」を理解・再構築することを目的とする。
これまでの検討により、高分子ゲルの弾性にはエントロピー弾性だけでなく、エネルギー弾性が存在することが明らかになった。また、網目をなす鎖一本あたりが持つエントロピー弾性は高分子濃度依存性を持たない一方、エネルギー弾性は高分子濃度の上昇と共に減少することが示唆された。また、エントロピー、エンタルピー共に高分子網目を形成する部分鎖の本数に比例することを明らかにした。2019年度にはこれらの結果を元に高分子ゲルの弾性を定式化し、その結果を論文として投稿した。また、これまでの弾性論の結果を、自らの英文著書において紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、本申請の大きな目的であった、ゲル弾性の定式化を達成した。今後は、当初の予定通り、ゲルの溶媒を変化させた場合や、不均一性を含むゲルについて調査し、論文化を試みる。
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Strategy for Future Research Activity |
・ゲルの溶媒を変化させた場合や、不均一性を含むゲルについて調査し、論文化を試みる。 ・ゲル化反応中に変形を加えることで、内部応力を持つゲルを作製し、同様の解析を行い、現象のさらなる理解に努める。
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Research Products
(41 results)
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[Journal Article] Mechanical Regulation Underlies Effects of Exercise on Serotonin-Induced Signaling in the Prefrontal Cortex Neurons2020
Author(s)
Youngjae Ryu, Takahiro Maekawa, DaisukeYoshino, Naoyoshi Sakitani, Atsushi Takashima, Takenobu Inoue, Jun Suzurikawa,Jun Toyohara, Tetsuro Tago, Michiru Makuuchi, Naoki Fujita, Keisuke Sawada, Shuhei Murase, Masashi Watanave, Hirokazu Hirai, Takamasa Sakai, Yuki Yoshikawa, Toru Ogata, Yasuhiro Sawada
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Journal Title
iScience
Volume: 23
Pages: 100874
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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